開戦
「それでは各ブロック、試合開始!」
学園長のノリノリの宣言と共に試合が始まった。
俺は一対複数を避ける為に防御の構えをとり、様子を伺う。
ふと、正方形のフィールドの対称の位置に目をやると、自分とは対照的な戦い方をする男がいた。
「実戦では迅速な任務遂行が求められる。その練習には良い機会だな」
と呟き、彼、岸田正義は右手に携えた片手直剣で素早く三人を葬り去った。
そんな彼に近づく者がいた。その男の後ろには三人分の死亡エフェクトがあった。それが彼の強さを物語っていた。
ガキィーンとなる鉄の音。岸田君が攻撃を防いだ。
「君は右手をブレード化する能力者だな」
「お前も俺の能力がショボいって言いてぇのかぁ?上等じゃねぇか。斬り刻んでやるぜ!」
「待て。そんなことは一言も」
「切島礼二」
「何?」
「お前が見下した、お前より強いやつの名だ」
どうやら切島君は自分の能力に劣等感を抱いているようだ。俺だったら、そっちよりもそのモテなさそうな坊主頭を気にするけどなぁ。
俺が余計なことを考えているうちに、二人の戦いが始まっ
「たっぐぁぁぁ!」
その時、何かが俺の首を締め付けた。
初めまして。大道寺司です。生まれて初めて後書きを書きました。ひとまず、三話まで読んでいただいた皆さまに感謝を。