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その名は岸田正義
[演習場]
「よし。皆集まったね。これからルール説明をする。入学者40名を4つのブロックに分けてサバイバルマッチをしてもらう。10人のうち1人が二つ名持ちとなる」
「学園長」
声のする方を見ると男子生徒が挙手していた。高い背丈に眼鏡を掛けていて、髪型は七三分けといういかにも真面目そうな男だ。
「異能力者は倒されると異能力を失って生き返ると言いますがそれではサバイバルマッチなど出来ないのではないのでしょうか」
「この演習場は僕特製の仮想空間になっていて、倒されても保健室のベッドに転送されるだけ。でも、痛みは実戦と同じように感じるからあまりやられないようにしてね」
その後、ブロック分けが発表された。
「Cブロックか」
「君もCブロックのようだな」
俺の呟きに反応してさっきの真面目そうな男子生徒が話しかけてきた。
「私の名前は岸田正義。学生警察とは正義の為にあるものだ。君のようなモテる為に学生警察になった者が私には許せない。この新人戦で君を倒し、その性根を叩き直してやる」
そう言い残し、彼は去っていった。
新人戦開始まであとわずかだ。