授業
新人戦の二日後、俺達にとっては大敗を喫した次の日。初の授業が行われた。一番最初に先生の紹介が行われたのだが・・・
「一年生の担任の花澤花音です。よろしく」
「し、師匠!?」
「何よ、徹。嫌な顔して」
「師匠こそなんで先生なんてやるんですか?」
「愛弟子の面倒を見る為には先生が良いと思ったのよ。戦闘の授業の先生なら学校側も二つ返事だったしね」
戦闘の授業。この学校は高校扱いなので普通の科目はもちろん、それに加えて戦闘(実戦)、戦術(座学)、異能力の三科目が必修となっている。弟子の俺からしてみれば心強い先生だ。でもいろいろ難ありなんだよなあ、この人。
「因みに、副担任は今日、パトロールに出ていていません。三年生が合宿にいっているから人手が足りないらしいわ」
三年生は学生警察の中では最高戦力だ。先生が代わりを務めるのも納得がいく。因みに、異能力を持つ者は大半が犯罪に走るため大人も次世代を育てるだけの人員しかいない。よって、異能力犯罪に立ち向かえるのは学生警察とその教師陣しかいない。
因みにというあたり師匠の影響を大分受けているらしい。そう思っているとチャイムか鳴った。
「次の授業は物理よ。普通の科目の中では役に立つ方だからしっかり学びなさい」
そう言って師匠は教室を出た。
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私は教室を出て、二年生に戦闘の授業をするためグラウンドに向かっていました。その時、背後から幾度となく察知してきた気配がしました。
「貴方レベルのストーカーは手に負えないのだけど」
「言ったはずです。弟子にしてもらうまで頼み続けると」
声の主は長身のスラリとした男。幕末を感じさせる身なりをしている。彼は数えきれないほど弟子入りを頼みに来るのです。
「なぜ私ではなくあの青年を弟子にとるのか分からない。私の方が彼より剣の才能があるというのに」
本当にしつこい男ね。仕方ない。
「私も晴れて教師デビューした訳だし軽く授業してあげるわ」
「授業?」
「貴方を弟子に取らない理由を教えてあげる」
「それはぜひ。それを克服すれば私はあなたの弟子になれる」
なんだか、無駄だったようね。諦めて貰いたかったのだけど。まぁ、自分から言い出したから言うしかないわね。
「貴方が私の好みのタイプじゃないからよ」
「は?」
彼は呆然としていたが、私は放置して言葉を続ける。
「大体、貴方は弟子をとる側の人間ではないの?《剣技王》さん。貴方レベルが弟子になりたいだなんて天才の考えることはよく分からないわ。あっ。そろそろ時間だからこれ以上邪魔しないで頂戴」
そして、私は授業に向かった。




