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彼女は僕にとって完全な人でした。あまりにもそうで、彼女が女性である事を、僕は殆ど忘れていました。振り返ると、忘れていたと思います。少なくとも彼女が[めす類]femaleである事を。
今年のまだ梅雨のさなか、ある晴れた日曜日の午後、教会のあとで、僕は彼女にプールで会いました。教会で別れる時に約束した通り彼女の家に行くと、お母さんが、滋子はプールにいて、僕をそこで待っている、と云いました。僕がプール端に到着した時、教会の女の子に泳ぎのレッスンをしてやっていました。彼女は[まり]真理を腕より支えて、バタ足の練習をさせていました。彼女は僕に頷いて真理を向こう端へ引いて行きました。真理の外に久美子と絵美がいました。




