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尤もでは無い、が、本当です。僕は毎度成功しました。彼女は獣を揺り起こした原因ではありました。特別な意味でです。
僕は射精衝動を意識した当初から、それを催すのが精神的圧迫下にある時だと知りました。性欲は僕にとって、苛立ちに比例するものなのです。しかも、僕の場合は射精衝動即ち是れ性欲、射精衝動以外の性欲が無いと思うのです。この意味において恐らく僕は、特異な精神生理複合体をなす人間の一人と考えます。従って、ジャンに向かって“僕はしないんだ”と言い張ったのは、ある見地に立てば、少しも嘘でなく正に本当だった。
僕が獣を檻から放った時、僕の行為はやはり自慰でなかった。いまだに痙攣的でグジャグジャでした。それは一つの苦痛を伴う過程;其れを放置しておく事は更に大きな苦痛を意味するトゲ、其のトゲを除去する過程でした。チーズとサラミのピッツァに就いて考える時間ではなかった。




