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狂 気 前 夜   作者: Raymond Kobayashi 訳:天野なほみ
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   『喜びの島』は確かに難物です。それで、課せられていたのは通常の三曲で無く、その一曲のみです。滋子がもう一度ピアノに来るように促されました。二度目の演奏中、今度は要所要所で中断して、ここはこんなフレージングにしてみたらどうか、この曲は完璧な出来だから貴方のように可能な限り譜面に就くのが最良なのだけれども、サムソン・フランソワなどはこんな風にやったもので面白いと思わないか、など提案めいた実演を鼻唄交じりにして聞かせていたが【伶門君、あなたどう思う?】と出し抜けに言いました。はっとして二人の顔を見上げました。滋子は例の目です。それよりもマツバラ女史の顔に発見した悪戯っぽい笑みには、すっかりどぎまぎしました。

   僕は二度目を弾くまでも無く定刻前に辞去しました。最後まで授業を受ければ、滋子と一緒に自由が丘駅へ歩かなければならなくなります。

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