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狂 気 前 夜   作者: Raymond Kobayashi 訳:天野なほみ
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   僕は魔婦との交合を酷く恥じました。潜在意識にはあのような獣的欲求が隠れていたのです。ひょっとして僕は何か不明瞭にしているかも知れません。大学に入るまでその夢を見なかったのではありません。一二度は幼い時分に、そして三四度は思春期に入ってからと、同じ夢を見た事がありました。言い換えれば、合わせて十回ほど魔婦と交合したことになります。従って、夢が僕の欲望の現れで無いとは考えられません。ただ、大学に入って初めて、その為に射精したのです。

   僕を更に苦しめた事は、夢精があった後の二三日間は“本物”の射精衝動、つまりライターの助けで絶った欲求が、俄に高まるのでした。云いましたように、夢精が起こるのは決まって疲労の溜まった状態で就眠する時でしたから、疲れる事を避けて短い昼寝を取る習慣を付けました。授業と授業の合間に寮へ戻って、十五分か二十分、横になるのです。これは単純ながら効果的な対処法でした。五回目の射精は無かったと思います。

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