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美少年で人生やりなおそ  作者: うもうぶとん
魔法学院編
67/73

同室者

 

 「ムーラム・ルクス!(光の壁よ!)」


月日が経つのは早いもので、俺はこの春から魔法学院の寮に入る。 


 「いい調子ですウィル、そのまま壁の大きさを膨張収縮させて大きさを変えてください」

 「はい!」


俺の努力と虎太郎の協力もあって、俺の魔力のレベルはなんとか高等部レベルに到達していた。まあ、虎太郎が居ないとかなり怪しくなってしまうが。


 「もうすっかり光魔法は自在に操れるようになりましたね」

 「虎太郎が居ないと怪しい部分がありますけど…」


学力テストも問題なくパスした俺は、入寮を待つのみというだけになっている。テオのもとで取得しなければならない単位も取り終え、のんびりとしたものだ。


 「もうすぐウィルも学院の一員ですね。なにか不安な事はありませんか?」

 「そうですね…やっぱり寮生活ですかね…。身の周りの事とかってやっぱり自分でやるんですか?」

 「食事は寮の食堂と校舎に併設されている食堂やティールームを使用できるので何の心配もありません。洗濯や掃除も、ウィルが入寮する寮ならば専用のスタッフが居るのでそちらに任せれば大丈夫です」

 「えっ、俺の入る寮って何か他の寮と違うんですか?」

 「聞いていませんか?学院の寮は膨大な数の生徒を統制する為に寮で大きく人数を分けているんです」

 「へぇ…」


今日の分のレッスンを終え、ストレッチをしながら話を聞く。


 「どんな分け方なんですか?」

 「まずは魔法学科と特別訓練生で大きく二つに別れます。魔法を使う事前提で寮の構成をしているので、魔力の差があると生活しにくいという事で、この二つは完全に別れています。更に魔法学科は一般生徒寮が二つコンストラーセ寮とセントール寮、成績優秀者や貴族の子息が入るミース寮の合計三つに別れています」

 「もしかして僕が入るのは…」

 「はい、最後に言ったミース寮になります」

 「やっぱり…」

 「これは仕方が無い事なのです。ミース寮は数が少ないですが精霊使い方が集まっているので、下手な警備をつけるより安全なのです。魔獣も悪魔も精霊には近付きませんので」

 「うん…」


分かってはいるのだ。俺の安全を考えてみんなが最前の手を尽くしているのは。しかし普通の学校生活を送ってみたかったとも思ってしまうのだ。


 「ミース寮にはワイアットやビーンも居ますし、私も近くの教師専用の寮に居ます。普通の学院生活とは少し遠のいてしまいますが…」

 「大丈夫。分かってるよ」

 『僕が居るから寂しくないよ!』


腕輪からいつもの虎の姿になった虎太郎がすり寄ってくる。少し大きくなって、ルーくらいなら軽々背にのせて移動できるくらいにはなった。俺は…まだ無理かな。



テオが帰り、シャワーを浴びて着替えると自室のドアがノックされた。


 「ウィル、入寮の手続きがあるからサロンにおいで」

 「はーい!」


手続きって何だろう。書類は全部ランスロットが出してくれてるはずだけど…。





サロンのドアを開けると、父とノエルが向かい合ってソファに座っていた。最近軍の仕事が忙しくてノエルに会っていなかったので久々だ。


 「ノエル!なんだか久しぶりだね」

 「ああ、いろいろと仕事が重なって、な」


そう言って少しだけ笑うノエルは疲れているように見えた。


 「で、寮についてなんだけど、どこの寮に入るとかは聞いたかな?」

 「はい、ミース寮だと…」

 「そう、ミース寮に入ることになったんだけど、問題は同室者でね」

 「同室者…?」

 「そう、成績優秀者とか生徒会の子達は特権という形で一人部屋を使用できるんだけど、それ以外の生徒は基本的に二人一組で部屋を使用する決まりなんだ。共同生活を送る事も学院で学ぶ上で社会性を育む大切な要素だからね」


聞けば生徒会は他の生徒とは違うスケジュールで動く事が多く、他の生徒と同じ部屋にしてしまうと生活リズムが合わなくて大変らしい。それもあって生徒会は1人部屋、成績優秀者は学業に集中できるよう希望者には特権として与えられるという仕組みになっているらしい。


 「それで、僕の同室者って言うのは…」

 「ああ、そっちの部屋で準備してるはず…」


そう言ってサロンに続いている小部屋のひとつのドアをノエルが開ける。


 「どうだ、サイズは大丈夫か」

 「う〜ん多分…どう?おかしくない?」

 「大丈夫だな」


ドアの向こうでノエルが誰かと話しながら出てくる。


 「久々だからちゃんとできてるか不安だな〜…」


そう言いながら出てきたのは見た事の無い男の子だった。背は俺と同じ位で、短めの黒髪はサラサラで天使の輪っかが見える。女の子のような顔だが、声は少年のものなので男の子だと判断できた。


 「ウィル!見て見て!似合う?」

 「え!?」


そう言って父の隣に座っていた俺に抱きついてきた男の子の気配で気付いた。


 「もしかしてティア!?」

 「そうだよ!僕も一緒に学院に通うから寂しくないね!」


いつも俺のお腹くらいの身長しかないティアが俺と同じ身長になってるのはあまり驚かないが、成長に伴いティアの可愛さが増している事に驚いた。自分の姿を固定しているティアのことだから、大きくなるのも可能なんだろうとは思っていたが、成長した姿は初めて見た。


 「ティアが同室者ってこと…?」

 「そう!僕がついてるから誰にも手出しさせないよ!」

 「ふふっ、ありがと」


ティアが一緒ならものすごく安心かも…。


長い間更新が止まってしまい、お待たせ致しました。

環境が変わり、文章を書く気力を中々保て定ませんが少しづつ進めています。

感想をくれた方、ありがとうございます。感想を貰ったのが初めての事なので、返事をどのようにしたら良いか分からず、更新という形でお返事しようと思い少しだけお話を進めてみました。

感想ありがとうございました。頭の中でお話は進んでいるので、少しずつアウトプットしていきます。

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