新しい家族 4
その夜、どうせ明日も遊びに行く予定だったんだからお泊まりしたいと言い出したルーを止められる者が居るはずも無く、まんまと俺の布団に潜り込むことに成功したルーはご機嫌のまま虎太郎と戯れている。
「お兄様、僕も精霊と契約できるようになるかな?」
「それは精霊に聞いてみないと分からないけど、ルーも契約できるといいな」
「うん…ぼくも……おにいさまみたいに…せいれいさんとなかよくしたいな…」
そう言って眠ってしまったルーの頭を撫でていると、虎太郎がすり寄ってきた。
「虎太郎、ルーと仲良くしてやってな。これからよろしく」
虎太郎のふわふわの毛並みを撫でてやると、彼が不意にこちらを見つめた。
「…?…どうした虎太郎…」
『お……に…い……サマ…』
幼い、子ども特有の鈴の音みたいな綺麗な声が聞こえた。
「虎太郎、お前喋れるのか?ずっと喋らないから…そういうもんなのかと…」
『ま…だ…コド…モ……だから……うま…く…』
そう言うと唸りだしてしまったので、このくらいが彼の限界なんだろう。それにしても…
「お兄様って…ルーの真似してるのかな」
そう思うと本当にルーの弟のような気がして、家族のような気がして、なんだかくすぐったかった。
その夜、俺の両側に二人の弟が眠り、久々に温かい夜を過ごした。