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美少年で人生やりなおそ  作者: うもうぶとん
幼少期編
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魔法の才能



知識だけでは役に立たないということで、六歳から魔法の訓練も始めた。通常は十歳頃から始める訓練を四年も前倒しで始めることに父は少し反対したが、俺の強い願いに負けて父の知り合いのローランド・ブランデルという退役軍人に教わることになった。

彼はかなりの地位にいたらしいが何年か前の戦争で怪我をして一戦を退いたらしい。あまり詳しいことは教えてくれなかった。


「よおウィル!準備はできてるか」

「おはようございますローランドさん」


百九十センチ近いがっちりとした体型で長めのブロンドが無造作にはねている、顔だけ見れば女性が好きそうな男前なのだが、いかんせん仕草や言葉が荒っぽいのでなかなか長くつきあえる女性が少ないのだと愚痴っていた。


めちゃくちゃ大きい俺の家の中にある地下の練習場で訓練は行われる。ここなら外に被害も無いし、魔法を使っても国の統括機関に目を付けられることも無い。統括機関とは、国のあらゆる魔法機関を統括している最高機関である。魔法学院や魔法省、国際魔法師委員会なども取り仕切っている。


その統括機関に目を付けられれば最後、危険だと判断されれば一生監視が付くこともあるし、有能だと

判断されれば強制的に戦場に駆り出されることもある。とにかく、とても厄介な機関である。


そういえば説明してなかったな。


この世界には魔法があること以外にも驚くことがある。まずは魔獣が存在する。今俺が住んでいる世界とは別に魔獣や悪魔と呼ばれるものが住んでいる世界があり、二つの世界の境界線が曖昧になっているスポットから魔獣がこちらに入り込んでくることがある。


そのスポットは大きいものもあれば小さいものもあり、大きいものになると小さな町など一瞬で壊滅されてしまうほどの数の魔獣が流れ込んでくる。その魔獣と戦うのが魔法師の役目である。


魔獣と戦うことだけが魔法師の仕事ではないのだが、やはりこのウェイトは大きい。十歳の魔力測定で一定の魔力があると国に判定されると魔法学院への入学が義務づけられる。魔力が無いものでも希望者は魔法学院内の特別戦闘訓練生として学院の生徒と同じ環境で訓練を受けることができるようになっている。


魔法学院は十三歳から中等部三年、高等部三年の六年間を全寮制で過ごす。

父と弟とは慣れるのは悲しいが、二人を守るための力を手に入れるためには仕方が無いことだ。


「いいぞ、いい調子だ。さすがアーサーの息子だ。この分じゃあ教えることなんて無くなっちまうな」

「そんなことないですよ。大地の魔法は扱いが難しくて…自分の属性の魔法のはずなのにうまくコントロールできないんです」


大地のフィールドに設定してある練習場の土から植物を発生させて操る訓練をしているのだが、どうも思った通りに行かない。ローランドさんが言うには、この年齢でこのレベルの訓練をしていることがすごいんだと言われたが、精神年齢はもっと上なんだ、やはり実力が足りて無い気がする。


俺の持っている魔法の因子は大地だった。土や植物だけでなく、水の因子にも働きかけなくてはならないため、ほかの属性よりも扱いが少し難しい。大地・火・水・風・闇・光の大まかに分けて6つの属性があるが、俺の適正は大地だけだった。貴族のように代々軍で活躍してきたような貴族には優秀な魔法師が生まれることが多く、属性も二つほど持っているのが普通である。そんな中、攻撃力も弱く戦うことには向いていない大地ただ一つだけしか適正が出なかったのである。


申し訳なくてその夜泣きそうになりながら父の部屋を訪ねた。ごめんなさいというと、父は優しく抱きしめてくれた


「気にすることは無いんだよウィル。君たちのことは父さんが守るから…大地の魔法師は後方支援が主な役割だ。戦場に出る確率が減ったんだ、こんなことを言ったら怒られるけれど、ほっとしたよ…

トリシアに続いてウィルまでいなくなったら、耐えられないからね…」


おでこや頬に優しくキスを降らせながら紡がれる父の優しい言葉に涙が止まらなかった。


せっかく人より多くのリードを貰い、多くの時間を使えるのに

そもそもの才能が無いなんて、あんまりだ。恩返しなんて、できないじゃないか。

父に抱きしめられながらその日は眠りについた。



「よし!魔法訓練は今日はここまで!休憩入れたら体術訓練に入るぞ」

「はい!」


魔法訓練は精神の力を多く必要とされ、同時に体力も削られていく。故に魔法訓練は体術訓練とセットで行うことが多い。俺も最初の頃は魔法量コントロールするだけでふらふらになっていたが二年も続ければこのくらいはへっちゃらである。


練習場の隅で座って水を飲んでいると、ドアが開いた。

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