表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
美少年で人生やりなおそ  作者: うもうぶとん
幼少期編
31/73

特別研究室



 「俺の専門は風の魔法を応用した振動系ステルス魔法を駆使した情報収集ですから、このくらいの尾行と侵入は朝飯前です…それより、もう少し気をつけた方がいいですよ。統括機関はまだウィリアム・エインズワースを諦めていませんから」

 

 「君もその統括機関だろう?」

 

 「統括機関ではありますが、俺たちは本部の指揮系統とは別の、独自のシステムを築き上げているので、本部とは全く違う考えで動いています。

  俺は統括機関の中でも孤立した部署、特別研究室から極秘で来ましたハイナー・ナイトハルトです。あなた達の力になれるかと思い、失礼ながらこのような形でコンタクトをとらせていただきました。本部にこのことが知られると厄介なので、他言無用でお願いします」


 「特別研究室…まさか…そんなところが私たちに何のようだ」


特別研究室…本で見たことがある…統括機関の中でも一番特殊で本部でさえもその動きを把握していない特別な部署。

研究機関というだけあって、メンバーには著名な研究者が名を連ねている。専門書の著者でたびたびこの部署のメンバーを目にする。


本部とは別に動いているといっても、統括機関には間違いない。父様は警戒を解かずに質問を続ける。


 「それに、研究室と言ったって統括機関に変わりはないよ。ウィルが欲しいみたいだけど、そうはさせない」


 「う~ん、ウィリアム・エインズワースが欲しいというのは少し語弊がありますね。研究室としては数年ぶりに発見された精霊使いを保護したいだけなんですよ。今までに発見された精霊使いは本部の監視下から外れて、すべて極秘で研究室が保護しているんです。本部の奴らは精霊使いのデリケートさを分かってないので」


 「それを信用しろと?」


 「疑う気持ちは分かります。でもこちらに協力してもらえれば、それなりのメリットが見込めると思います。我々は精霊を専門に扱っている責任者のもとで精霊使いのコミュニティを築き、それを共有させて、より彼らが住みやすい環境を提供しています。精霊使いは周りに仲間が少ないので、精霊の扱いを教え合ったり、精霊使い特有の悩みを共有することができにくい環境にあることが多々あるので。


  こちらとしても、精霊の研究の一貫である部分もありますが、年々精霊使いが発見されにくくなっていることに危機感を抱いています。少しでも精霊について知るためにぜひ協力していただきたいのです。信じられなければ、一度精霊使いのコミュニティを見てもらってもかまいません」


どうやら引く気はないらしい。父様も信用していいのか判断しかねていて、場に緊張が走る。



しかし俺は、彼の別の言葉が引っかかっていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ