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新たな試練
父様は俺を抱いて階段を下りた。
「空間移動が使えれば、もっと広い練習場を用意したんだけど…高度な空間魔法は頻繁に使える魔法じゃないからこうやって簡易の練習場を作ってつなげたんだ」
しばらく階段を下りると俺の家の練習場と似たようなフィールドが現れた。
俺が家に帰れなくて寂しがっているのを察して、家の雰囲気に近づけてくれたらしい。
高い天井に大理石の白い壁、今はフィールドを指定していないので、白い木の板張りになっている。
大理石の壁に木の床はミスマッチな気もするが、この大理石は魔法を映写する特殊な石らしく、部屋にかかる魔法を移して、フィールドに合わせた背景に変わる。
床は吸収材によく使われる木で、まだ小さい俺を気遣ってこうなったらしい。
「大地の魔法コントロールには植物を使ったと思うけど、光の魔法コントロールでは特殊な道具を使うんだ。後の説明はローランドに任せるね」
そういって渡されたのは、球体で中が空洞になっている透明なガラスだった。大きさはハンドボールくらいだろうか。