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薄暗い希望
そうやってしばらくは精霊と戯れて過ごしていたが、それにもだんだんと飽きてきたころ、父とローランドが俺の部屋を訪ねてきた。
「父様!ローランドさん!」
久々に会えた父様にテンションがあがり、勢いよく飛びついた。父様は難なく受け止め、俺を持ち上げきつく抱きしめてくれた。頬にキスを一つすると、申し訳なさそうに眉を寄せた。
「ウィル、なかなか会いに来れなくてすまない。もう少し待っていてくれ。
またみんなで暮らせるようにしてみせるから」
「うん…」
思う存分抱きしめあってから、いったん離れる。
「それとね、ウィルには光因子の魔力コントロールの訓練を受けてほしいんだ。
今日からローランドについてもらって、少しずつ鍛えていこう」
「でも、どこで訓練をすれば…」
ここからは出られないんじゃ…?
「ああ、言ってなかったね。この部屋は小さいけどトレーニングルームもあるんだ」
そういってリビングにあるローテーブルに手をかざすと、テーブルが消えて下に続く階段が現れた。
(魔法ってやっぱすげえ…)
父様は俺を抱いて階段を下りた。