目覚め
俺が完全に目が覚めたのは、それから三日後のことだった。
前回目が覚めたのとは違い、頭がすっきりしていて目覚めの良い朝だった。
白い天井に白い部屋。ここは病院だろうか。
ぼーっと窓の外を見ていると、看護師らしき女性が入ってきて小さい悲鳴をあげながらまた外に出て行ってしまった。
しばらくすると、医者らしき人が来て軽く触診しまた出て行った。
数分も経たないうちに父様、ルー、アルバート、ランスロット、マリウスが勢いよく入ってきた。
「おはよう、みんな」
そういうと、ルーは泣きながら抱きついてきて、父様はルーごと俺を抱きしめた。
アルバートは今にも泣きそうなマリウスの頭を撫でて、ランスロットは優しい目でこちらを見ていた。
ああ、みんなに心配をかけてしまった。と痛感した。
ルーを抱きしめ、父様に抱きしめられてしばらくそのままで過ごした。
「心配かけてごめんね…」
ルーが落ち着いたのでいったん近くのいすに座らせた。
「いいんだ、こうして目を覚ましてくれただけでもういいんだ。それより、五日も眠っていたのに起き上がって平気なのか?」
「うん、頭もすっきりしていてとても調子がいいんだ」
眠り続けていたことによる体のだるさも全くない。