夜会から変わったこと 2
エディソンはルーと同い年で、きれいな黒髪に兄とお揃いのグレーの瞳が可愛らしい小柄な男の子だった。
小柄と行っても、ルーとそれほどかわらない背格好だ。
彼はどうにも甘えるのが下手らしく、最初は借りてきた猫のようだと思ったが、ユリエルに対しても同じ態度だったので甘えべたなのだろう。
甘えたがりのルーと相性がいいかもしれない。ユリエルも、弟がルーのように甘えてきてくれると嬉しいと言っていたし、ルーから甘え方を学ぶといいかもしれない。
「そういえば、あの夜会から噂になっているぞ」
「なにがですか?」
「エインズワース家には天使が二人いる、とな」
「…………」
ルーが天使なのは分かるが、俺も数えられているのが…。
「…ルーが天使のように可愛いのは事実ですからね」
「俺はどちらかというとウィリアムの方が噂を広げている原因だと思うがな…」
「え?」
「いや、何でも無い」
ユリエルは弟達の方に顔を背けてしまった。
「それにしても、なんて可愛らしい光景でしょうね。ルーも可愛いですがエディも可愛らしいです」
「ちょっと待て、いつからエディと呼んでいるんだ」
少しすねたようにこちらを見るユリエル。弟と仲良くなったのが気にいらないんだろうか。
「ユリエルがルーとお話ししているときにエディが退屈そうだったので少しお話ししたんです。そのときに自分のことはエディと呼んでくださいと」
「そうか…で、では、俺のこともユーリと呼んでくれないか」
「はい、いいですよ。僕のことはウィルと呼んでください」
「お、おう!」
なんでそんなに嬉しそうなのか分からないが、嬉しいならばよかった。
ユーリの母、ケーラが焼いたというクッキーをお土産に貰ってその日は帰った。
それからユーリとエディとは頻繁に会うようになった。最近ではエディもライアットに積極的に話しかけるようになったらしく、ライアットには感謝されてしまった。