72話 4人の戦士たち
襲撃作戦が開始され、奇襲部隊はほぼ全ての敵のサブ拠点を占領。残ったサブ拠点には壊滅的なダメージを与えた。
その後、侵入部隊が白龍本部へと侵入した。円状の形に設計されている白龍本部に360度からの侵入部隊による突撃をしたことにより、白龍本部に混乱を与えるはずだったが、ガルドの天使武器、巨人の目玉と本部の全ての壁に出現した無数の目玉らによって、侵入部隊は完全に居場所と身動きを把握されてしまった。
そしてガルドは次の行動へと移る。
「ガルド様、彼らをお呼びしました」
「ご苦労」
サングラスをかけた女性がガルドにそう報告すると、そのガルドがいる部屋に4人ほどの戦士が入って来た。
「その椅子は、巨人の目玉をモデルにアンタが作った武器。白龍の目玉じゃないか」
一人のオカッパ頭の若い男はガルドにそう話しかけると、ガルドは椅子に座り込みながらそのオカッパ頭の男を含めた4人に命令した。
「88人もの侵入者がこの本部に攻めて来た。敵は4人1組で行動している。場所は全て把握済みだが、そ奴らの討伐をお前たち4人に任せたい」
「相手はあの灯城さんを倒した奴らだろ?いいねぇ!暇つぶしにはピッタリだよ!」
オカッパ頭の若い男はそうニヤつきながら答えると、白いローブを身に付けた女性がガルドに問いかけた。
「敵は88人。我々でも充分に対処できる数だが。4人だけでなくもう少し多めに兵を投入したほうが手っ取り早いのでは?」
「心配するな、シェリー。お前たちは 4人も他にも投入する戦士が一人いるからな。バーリルだ」
「……バーリルだと?あんな化け物を出すほどにまでここは追い詰められているのか?」
「まぁ、万が一の可能性を考えての行動だ。バーリルを投入するから、お前たちだけを投入することにしたんだ。バーリルは敵だけでなく味方をも殺してしまうからな。お前たちならバーリルにも対抗はできるだろう」
白いローブを身に付けた女性は納得したようだった。ガルドはさっそくオカッパ頭の若い男と白いローブを身に付けたシェリーという女性に命令した。
「ビューカーとシェリー。お前たちは西側を担当しろ。敵は見つけ次第殺せ」
するとガルドはもう二人にも命令した。
「お前たちは東側だ。わかったな?」
4人はガルドの命令に従い、さっそくその部屋から去って行った。
全ての侵入者の居場所を捕らえているガルドはその4人に無線で居場所を教える。
トネイルが所属するパーティ赫花は侵入部隊に配属されていた。
赫花パーティは敵の建物内を移動している途中、トネイルがとある殺気に気づいた。
「皆、止まれ‼︎」
トネイルがそう合図したその時、物陰からある男の声がした。
「あれ?バレちゃった?さすが灯城さんを倒した奴らなだけはあるねぇ!」
すると赫花パーティの前に現れたのはガルドが出撃させた4人の戦士の内の一人、オカッパ頭のビューカーという男だった。
「お前たちはたっぷり痛めつけて、グチャグチャにしてやるよ!」