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悪魔の継承3  作者: 夜海 来火
第5章 白龍本部襲撃作戦
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71話 本部侵入

リケッドが所属するパーティ央馬は奇襲部隊に配属されていたため、作戦開始してから約10分ほどで白龍連合のサブ拠点に辿り着いた。

「俺が合図したらすぐに攻撃を開始しろ!」

央馬の司令塔パサーの指示とチームワークによってほとんどのサブ拠点は占拠することに成功し、わずかに残ったサブ拠点には反撃できぬほどの壊滅的打撃を与えた。もちろん連絡施設は破壊したため、サブ拠点での戦闘のことは白龍連合本部にはまだ気付かれていない。

奇襲部隊は白龍連合のサブ拠点を全て抑え込んだのである。


それから2分後、侵入部隊が白龍連合本部へと目指し、馬で駆けて行った。

侵入部隊に配属されている豪蓮は馬での移動途中、班員に話しかけていた。


「これから敵の本部へ侵入することとなるが、くれぐれも無茶はするな。それと冷静にな。熱くならず冷静に判断しろ」

「ま、デュージルさんがいるなら大丈夫ッスよ!敵なんてちょちょいのちょいですよね!」


ネヴァはそんなことを発言していると、新しく班員になったメルタという男がネヴァに注意する。


「油断しない!敵はデュージルさんより強いかもしれないし、僕たちは全滅する可能性だってあるんだぞ!最悪のことが起こらないように、最悪の事態を想定して!」

「りょ、了解ッス」

「メルタの言う通りだ。ここからはたった一つの判断が作戦を大きく左右するだろう。気を緩めるなよ」


デュージルはそう言っている途中、トルシャは黙ってメルタの様子を伺っていた。

(メルタと言ったか、こいつ、かなりの実戦経験があるんだろう。このメンバーの中で一番冷静に見える。デュージルは本部直属の兵士と言っていたが……)

そんなことをトルシャは考えていると、デュージルはまた三人に話しかけた。


「あらかじめ言っておくが、強大な敵が現れて、俺の身に何か起きたら……すぐに逃げろ。それだけだ」


三人はその命令には返事をしなかった。

豪蓮を含めた侵入部隊は白龍連合本部の500m先まで近づいていた。

そこで侵入部隊のそれぞれのパーティは一つずつ爆弾のような物を取り出すと、白龍連合の本部の砦に向かって投げつけた。

すると爆弾が砦の壁を破壊し、各パーティは白龍連合本部へと侵入して行った。

この侵入方法は白龍連合本部の360度から各パーティが行なっているため、白龍本部は全方向から攻撃を受けているのである。

侵入部隊は全方向から本部へと侵入し、制圧を開始した。



その頃、白龍本部の司令室ではガルドの他に白龍兵士たちが集まっていた。

「黒虎連合が攻撃して来ました!全方向からです!」

「その数はおよそ88人!4人1組で行動しているようです!」


白龍兵たちはガルドにそう報告すると、ガルドは大画面のモニターに映ったジラ・バーバリタスに問いかけた。


「いかが致しましょう」


すると大画面のモニターに映ったジラ・バーバリタスはこう返事を返した。


《私は今忙しい。しばらく部屋からは出て来れない。本部ここの指揮はガルド、お前に任せる。侵入者は見つけ次第、始末しろ》

「了解しました」


すると、ガルドはその司令室にいる兵士にこう話した。


「ジラ・バーバリタス様からより、ここの指揮は私に託された。今からお前たちは私の言う通りに従ってもらう」

「了解しました!では、侵入者はいかが致しますか」

「そう焦ることは無い。本部ここの防衛は私がいる限り、負けはしない」


ガルドはそう言うと、司令室の窓から外を眺めると、一つの白い玉のような物を取り出した。


するとその白い玉は空に飛んで行き、白龍本部の上空で巨大な目玉へと変化した。

その目玉の瞳は地上に向いていて、まるで空から白龍本部の全体を見ているかのようだった。


「天使武器、巨人の目玉タイタンアイ。あの目に映る視界は私の脳と直接繋がっている。外にいる侵入者の居場所はどこにいても私の視界の中にいる」



巨大な目玉の出現に驚いた黒虎連合の侵入部隊たちであったが、メルタがデュージルにこう説明した。


「あれは天使武器だ!あの目玉で僕たちを見ている!」

「建物中に移動するのはどうだ⁉︎そうすればあの目玉には見られないはずだ!」


デュージルはそう言うと、豪蓮パーティたちは建物内に侵入した。

しかし、それを予想していたのかガルドはすぐにもう一つの対策を施していた。


司令室には、たくさんの電子機器や頭に直接繋げる電線がいくつもある椅子が一つあった。

ガルドはその椅子に座り込み、電線を頭に繋げた。


「ぐぅぅぅぅぅぉぉぉぉ‼︎‼︎」


堪えるような声を出しながら、頭に電線を繋げたガルドはニヤリとしながらこう呟いた。


「グフフフ……建物内に隠れれば見られないとでも思ったのか?そんなことはお見通しだ」


すると本部の建物内の全ての壁が一瞬にして無数の目玉で覆われてしまった。

建物の壁に出現した無数の目玉は黒虎連合の侵入部隊の姿をしっかりと捕らえていた。


壁に出現した目玉を見たデュージルはメルタに問いかける。


「この目玉も知っているのか⁉︎」

「こんなものは知らない!まさか建物の壁が全て目玉だらけになるなんて!でも、普通に考えれば空に出現した巨人の目玉タイタンアイと同じ能力だろう」

「じゃあ、俺たちは外にいても建物の中にいても、どこにいても敵は俺たちの居場所を完全に把握しているということか!」


その会話の様子を聞いていた目玉はガルドの脳に直接その様子が伝えられ、ガルドは現状を把握する。そしてガルドはまたニヤリとしながら呟いた。


「その壁に出現した目玉には聴覚機能もある。何をしても無駄だ。お前たちは今、私の手のひらで踊っているのだからな」


順調かと思われた黒虎連合だったが、ガルドによって完全に身動きを把握されてしまった。

そしてガルドは次の行動へと動き出す。





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