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悪魔の継承3  作者: 夜海 来火
第4章 凄絶な戦いの中で
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52話 互角の戦い

灯城かリケッドのリミッター解除が切れるまでシンは救急班のテントで待機することに。

わずかな睡眠時間で魔人化になれるか。そこが曖昧だが、シンが考えた作戦はすぐに開始した。


「俺はこれから寝る。少し静かにしていてくれ」

「わかった」


戦場で寝るとは前代未聞の状態だが、それも勝つためなら反論はない。

皆、そのことはわかっていた。


一方、戦場のリケッドと灯城の戦いは、両者とも譲らず、対等に戦っていた。

剣を弾くリケッドのグローブを見て、灯城は問いかけた。


「そのグローブ、悪魔の鉄拳ブレイカーだな。いつの間に持っていたのか。どこで手に入れた?」

「さぁな」

「まぁいい。宝の持ち腐れということをすぐに理解させてやる」


灯城はそう言うと、大剣を二本の剣に分裂させ、リケッドへと攻撃を仕掛けた。

斬りつけようとする灯城の攻撃をリケッドは避け続けたが、灯城はリケッドの足下に足を引っ掛けリケッドを転ばせると、態勢を崩して無防備なリケッドに斬りかかった。

リケッドは斬りつけられることを覚悟の上でその態勢から灯城の頬を殴った。

灯城は攻撃を受け態勢を崩し、リケッドの肩を浅く斬りつけた。

リケッドは態勢を整えると、灯城から少し離れた場所に移動した。

灯城はリケッドを睨みつけた。


「リミッター解除をしているだけはある。ただでは仕留められないということか」

「一発殴るのに肩を斬られなきゃならないと思うと、しんどいッスね」


両者、ほぼ互角だった。

黒虎連合の代表的なアタッカーのリケッドと、白龍連合の最強のアタッカーの灯城の戦いは永遠に続くかのように思えた。

しかし、決着は突然付く。


「ゆくぞ」


灯城はそう忠告すると、二本の剣を構えてリケッドへと走り出した。リケッドは走ってくる灯城に向かって拳から衝撃波を放ったが、その衝撃波は灯城には当たらず、灯城はリケッドに斬りかかった。

リケッドはすぐにカウンターを放つ姿勢に切り替え、斬りかかった灯城に対してカウンターを放った。


一方、救急班のテントではシンが考案した作戦をデュージルは皆に伝えていた。

皆、黙ってデュージルの話を聞いていた。


「この作戦は成功確率は低い!賭けみたいなもんだ!だが、勝つためにはこれしかない!作戦が失敗する条件としては二つ!シンが魔人化できないということ!もしくは、シンが魔人化できる状態になる前に、リケッドが倒されてしまうということだ!いずれのことが起きてもおかしくはない!もし起こってしまった場合、我々全員で対処する!覚悟しておけ!」



一方、リケッドと灯城の戦いでは、斬りかかった灯城に対してリケッドがカウンターを放とうとしていた。

リケッドは渾身の力を込めてカウンターを放った。しかし、リケッドの前から灯城の姿は消えてしまった。


(消えたっ⁉︎いや、まさか⁉︎)


そのまさかだった。

灯城の姿が消えたのではなく、リケッドの反射速度が急激にダウンし、灯城の素早い動きが消えたように見せたのだ。

リケッドの背後に回り込んだ灯城はリケッドにこう言った。


「切れたな。リミッター解除の効果が」










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