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悪魔の継承3  作者: 夜海 来火
第4章 凄絶な戦いの中で
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51話 わずかな希望

「その全てを見通すような瞳……。そうか、お前もリミッター解除をできるのか」


灯城は自分の攻撃を防いだリケッドにそう呟いた。リケッドは灯城を睨みつけこう言った。


「仲間は俺が守る‼︎」

「ゴルシャと対等に戦えなかった者が、随分と勇ましくなったものだな。いいだろう、相手をしてやる」

「油断するなよ」


リケッドはそう言い、灯城へと走り出した。

灯城は大剣を二本の剣に分裂させ、戦闘態勢を取った。


シンのそばにデュージルは駆け寄ると、デュージルは俺の肩を持ち上げた。


「ここは危ない。救急班のとこに移動しよう」


そう言うと、シンとデュージルはその拠点の外のテントへと向かって戦場を去った。

その拠点にはリケッドと灯城しかいなかった。


救急班のテントには戦いで重傷を負った者が多数いた。ネヴァもその内の一人だ。今は寝ているが、先ほどセツヤに右肩を剣で貫かれていたのだ。

医療班の一人はデュージルに問いかけた。


「今戦場はどうなっている?」

「灯城とリケッドの一騎打ちだ。今回の敵は灯城だけか?他にもいただろう?」

「白龍兵が4人くらいだ。そいつらはすぐに倒したが、灯城が強くてな」

「仕方ない。奴は強すぎる」


デュージルはそう言い、シンへと目線を変えた。


「シン、松田隼人はどうした?」

「……」

「おいシン、寝てんのか?」


シンは寝てしまっていた。よほど疲れてたんだろう。と医療班の一人は言うと、デュージルは俺を叩き起こした。


「戦場の近くで寝るな!そんな暇あったら作戦でも考えろ!」

「……悪い、うとうとしてた」

「いや、寝てたぞ」


デュージルはそう言うと、シンは気づいた。

俺は寝てたんだと。

魔人化は魔神と融合するために、一回の融合に睡眠時間が必要になる。先ほどまでは松田隼人との戦いで魔人化してしまったが、今、寝ていたとなるともう一度魔人化できるかもしれない。

そのことに気づいたシンはデュージルに言った。


「上手くいくかわからないが、作戦を思いついた!」

「どんな作戦だ?」

「灯城とリケッドは二人とも、ゴルシャと同じようにリミッター解除の状態になっている。なら、二人ともリミッター解除のタイムリミットがあるはずだ。ゴルシャと戦ったとき、急にゴルシャのパンチのスピードが遅くなったり、反射速度が鈍ったりしていた。それはゴルシャのリミッター解除のタイムリミットが切れたからだ」

「つまり、灯城のタイムリミットが切れる時を待つということか」

「そうだ。奴がリミッター解除している間は、恐らく誰も倒せない。リミッター解除が切れたら、すぐに俺は魔人化し、奴を倒す」

「できるのか?さっきは魔人化できなかったのだろう?」

「魔人化に必要なのは睡眠時間だ。だから、この短い時間での睡眠で魔人化できるかはわからない。それと、リケッドがもしも先にリミッター解除が切れてしまったら、俺が相手をしなくてはならない。リケッドはリミッター解除をしたのはどうやら初めてらしいからな。その可能性はある」

「希望はほんの少しの確率ということか。なら、賭けるしかないな。その作戦を始めよう」

「了解!」


俺はそうデュージルに返答した。

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