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悪魔の継承3  作者: 夜海 来火
第4章 凄絶な戦いの中で
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45話 秘伝の武器

(秘伝・悪魔武器……。そんなもの聞いたことがない……。どんな力を持っている……?)


セツヤはキシラが配置した二体の黒騎士を見てそう考えていた。

すると二体の黒騎士はそれぞれ剣を構え、セツヤへと襲いかかって来た。

セツヤはその時、違和感を感じた。黒騎士はセツヤが放つ超重圧ハイプレッシャーの効果を受けていないのだ。

セツヤは黒騎士の攻撃を自力で避け、黒騎士から距離を取った。


(あれは悪魔じゃない。姿形は鎧を身につけた悪魔だが、どちらかと言うと死神デスパーソンに近い。感情が無いロボットみたいだな……)


セツヤはこの二体の黒騎士にどう対抗するかを考えていたが、キシラはまるで考える余裕を無くすかのように、新たな二つの巻物を取り出した。


「秘伝・天使武器、白騎士ホワイトナイト


キシラはそう唱えると、新たに白い鎧を身につけた天使が巻物から召喚された。

その数は二体。黒騎士と合わせて四体だ。


(新たに二体召喚したか。恐らくあの二体も超重圧ハイプレッシャーは効かないだろう。このままではマズイ……)


セツヤはそう考えていると、二体の黒騎士がセツヤへと襲いかかって来た。

セツヤは魔覇の神剣ジ・ブレードを構えて、二体の黒騎士に対抗した。

黒騎士は一本ずつ剣を使用していて、セツヤと二体の黒騎士による剣の打ち合いが始まった。

セツヤは何とか黒騎士の攻撃を防御していたが、黒騎士がセツヤから離れると遠方から白騎士が剣から斬撃波を放っていた。

セツヤは拳を握りしめ、その手を斬撃波に向け手を開くと、その手から突風の塊が放たれた。

その突風の塊と斬撃波は衝突し合い、砕け散ってしまった。

その光景を見たキシラは悠長にセツヤに話しかけた。


「わずかでも俺と同じ血を持つだけはある。風神一族の風圧弾を放てるとはな」

「ホワイト国の王族にも風神一族がいたらしくてな。それは僕の先祖であり、どうやら先祖はホワイト国を追放され日本に来たらしい。追放したのは、お前の先祖らしいがな」

「先祖の復讐とでも言いたいのか?」

「いや、ただ、僕とお前は戦う運命だったのだな。と実感しただけさ」


セツヤはそう答えると、両手を強く握りしめ地面へと風圧を放った。

すると、セツヤを中心に物凄い竜巻がその部屋で発生した。その竜巻は部屋にあったソファや本や机を飛ばし、ついには天井に穴を開けた。

キシラや黒騎士や白騎士は防御の姿勢を取っていると、突如、一体の黒騎士が倒れ込んだ。


(まさか……)


キシラはそう思った。そのまさかだった。

一体の黒騎士の身体に剣で貫いたような跡が残っていたのだ。

鎧を剣が貫くことは考えにくいが、天魔武器である魔覇の神剣ジ・ブレードなら貫くことも可能である。

キシラはそう思っていたうちに、また白騎士が二体倒れ込んでしまった。倒れ込んだ白騎士にも黒騎士と同じような傷跡が残っていた。

竜巻が止むと、そこには倒れ込んでいる騎士たちと剣で黒騎士を背中から貫いているセツヤを確認することができた。

そんなセツヤにキシラは話しかけた。


「貴様、騎士たちを……」

「こいつらの攻略は案外難しくなかったな。こいつらは感情を持っていなく超重圧ハイプレッシャーが効かない分、厄介だと思ったが、どうやら僕の推理通りだ。騎士たちは感情が無ければ思考回路も無かった。だから騎士たちは君が恐らく間接的に操作していたのだろう。君から騎士が見えない場所にいれば操作は困難になる。白騎士の身体で黒騎士が見えなくなったとき、黒騎士の動きが変化したからな」

「その通りだ。やはりさっきの竜巻は視界を遮るためか」

「そうだ。そして巻物を新たに取り出さない姿を見ると、あの騎士たちは四体が限界らしいな」


セツヤはそう言うと、剣を構えてこう言い放った。


「さて、僕のターンだ」


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