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悪魔の継承3  作者: 夜海 来火
第4章 凄絶な戦いの中で
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41話 解けただけだ

黒虎連合北側拠点に白龍連合が攻撃を開始。黒虎連合はその攻撃を迎え撃ったが、白龍連合の灯城に手も足も出ない状況だった。

そこで神谷シンが所属する豪蓮が北側拠点へと増援に向かったが、道中で松田隼人と遭遇。

発見次第拘束するという手配が出ている松田隼人に神谷シンが挑み、他の者は北側拠点へと向かって行った。

神谷シンは松田隼人との戦いの途中、何時の間にか魔人化へ突入していた。




「魔人化……。俺が考案した状態変化を操ることができるようになったか」


松田隼人はそう言うと、俺は松田隼人の額に突き付けた銃から、銃弾を放とうと引き金を引いた。

しかし、松田隼人は引き金を引く前に重力で自らを軽くし、上へと飛んで行った。


魔人化した俺は瞬間的に反応し、上へ飛んだ松田隼人の方向にすぐ銃口を向けた。

そして銃弾を松田隼人に三発放ったが、一発は避けられ、二発は死神の黒剣デスブラックソードで弾かれてしまった。


弾を剣で弾いた直後、銃を下ろす俺を見て松田隼人は頭の中で魔人化のことを考えていた。


(魔人化……基本的なスキル向上のうえ、集中力は最高値に達する。だが、体力の消耗は激しく、連続で魔人化することはできない。次に魔人化するには一度睡眠を取らなければならない。神谷の魔人化が解けるのを待つか。それとも……)


そう考えている内に、俺はアザエルが変化した剣を用いて攻撃を仕掛けて来た。

その速さは尋常ではなく、俺は松田隼人の背後に瞬間的に移動した。


「……なにっ⁉」


松田隼人もその動きについて来れず、松田隼人の背後から不意をついた俺は松田隼人を斬りつけた。


しかし、松田隼人には傷がつかなかった。魔人化した俺はすぐに反応し松田隼人から距離を取った。

松田隼人を覆うように魔神が宿っていたのだ。これは魔人化の一歩手前の魔神召喚サムンスを発動した状態である。

松田隼人に切り傷がつかなかったのも、松田隼人を魔神が守っていたからだ。


(この状態を維持するのは少しキツイが、魔人化ほどではないだろう。このまま魔人化が解けるのを待とうか)


松田隼人はそう考えていた。

俺はアザエルが変化した剣を、元のアザエルの姿に戻し、左手に雷の魔力を集中させた。


(次は魔術で来る気か?)


松田隼人は俺の様子を伺う。俺は左手から雷の魔力を宿し、松田隼人へ向かって走り出した。


走り出した俺に反応して、松田隼人を覆う魔神は戦闘態勢を取った。

しかし、次の瞬間、俺の姿は松田隼人の視界から一瞬にして消え去った。


(消えた……⁉)


松田隼人が消えたと認識した瞬間、松田隼人を覆っていた魔神の腰に雷で削られたような跡が残っていた。

その傷跡に松田隼人が気づいた時には、反対側の腰にも雷で削られたような傷跡が残っていた。


(速いっ……反応が間に合わないっ……)


松田隼人は俺のその素早すぎる速さに反応することができずにいた。

そして、俺は左手を突き刺すように松田隼人に向けると、俺の左手は松田隼人を覆っていた魔神の身体を貫いた。


(魔神の身体を貫いただと⁉)


松田隼人を覆っていた魔神に穴を開けた俺は、その直後、魔人化が解けてしまった。

松田隼人もそのことに気づいていた。


「魔人化が解けたか」

「解けただけだ!」


俺はそう答えると、魔神の身体を貫いた左腕から激しい雷撃を放った。

魔神の内部へ放たれたその雷撃は、魔神の内側を駆け巡り、魔神の内側で雷撃による大爆発が起きた。



松田隼人を覆っていた魔神は内側から爆発し、俺はその場から離れた。

魔神の内側にいた松田隼人は恐らくかなりのダメージを負ったはずだ。


爆発した際に発生した爆煙が晴れ、松田隼人の姿を俺は伺った。

そこには防御の姿勢でこちらを睨みつける松田隼人がいた。






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