32話 興味ある者
俺はゴルシャに向けトドメの雷撃を放ったが、俺の雷撃に直撃することを覚悟してリケッドがゴルシャに殴りかかった。
「リケッド!よせ‼」
俺の言葉はリケッドには届かず、リケッドとゴルシャは俺の雷撃に直撃し、飲み込まれてしまった。
俺の雷撃の中で、リケッドはゴルシャの頬を思いっきり殴りつけた。
殴りつけたその瞬間、リケッドは意識を失った。それはゴルシャも同じだった。
雷撃が消えたそこにはリケッドとゴルシャが倒れ込んでいた。二人とも重症だった。
「リケッド‼」
俺はリケッドの下に駆け寄り、息をしているかを確認した。
リケッド幸いにも息はしていた。しかし、ゴルシャは息をしてはいなかった。
俺たちとゴルシャの戦闘を見ていた他の剛迅のメンバーたちは動揺を隠し切れなかった。
白龍連合の最強のアタッカーが今、死んだのだ。
「た、退避する‼もう一度言う!退避せよ!」
剛迅の司令塔はそう言い放つと、馬に早々と乗り、その拠点から脱出を試みた。
そんな敵をネヴァが追いかけた。
「逃がすかよ」
ネヴァは刀を構え、その敵に襲いかかった瞬間、ネヴァは謎のオーラによって弾き飛ばされてしまった。
「なんだ⁉」
「馬の近くに誰かいる‼」
豪蓮のメンバーは敵の馬の近くにいる男を見た。その男はあのガルドだった。
ガルドを見つけた俺はアザエルが変化した銃を構え、ガルドに向け走り出した。
「ガルドォォッ‼‼」
「お前に興味はない」
ガルドはそう言うと、俺に向かって指を差した。その指から一筋のレーザーのような魔力が、俺の持っている銃を弾き飛ばした。
しかし、俺はそのままガルドに向かって走り続け、左手に雷の魔力を宿した。
この拠点の壁を壊したときと同じ技を行おうとした。
ガルドはそんな俺を無視して、剛迅のサポーターとテクニークに指を差した。
するとその指から一筋のレーザーが、剛迅のサポーターとテクニークを貫いた。
ガルドは倒れていく二人に向けこう言った。
「お前たちの仕事はもう終わりだ」
「う、うわぁ!」
剛迅のパサーも恐怖を感じ、ガルドから馬を走らせ逃げた。
しかし、ガルドは馬に乗っているパサーに指を差すと、そのパサーの首元を一筋のレーザーが貫いていた。
「うおおおおおお‼‼」
俺はもうガルドの目の前まで走って来ていた。
左手に宿している雷をガルドに直撃させようとしたその瞬間、ガルドはこう言った。
「興味があるのは、“彼”の方だ」
ガルドは俺の左手が直撃する瞬間、姿を消してしまった。