表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪魔の継承3  作者: 夜海 来火
第2章 連合領地争奪戦
27/146

24話 隙の無い者

戦闘態勢をとる俺を見て、ゴルシャは呆れた表情で俺に話しかけた。


「リケッド。お前のその戦闘スタイルは俺が教えたボクシングを改良したものだったな」

「だったらなんスか」


ゴルシャは戦闘態勢をとり、こう言った。


「俺が教えたボクシングで俺を殺れるか」



するとゴルシャは攻撃を仕掛けた。俺はゴルシャのパンチを避け、カウンターを狙ったが、ゴルシャはそのカウンターを避け、さらにカウンターを仕掛けて来た。


俺は左腕でゴルシャのパンチを防御し、ゴルシャから距離をとった。


距離をとった俺だが、すぐに距離を縮めてくるゴルシャの前では休む暇すらなかった。

ゴルシャはまた攻撃を仕掛けて来る。



俺はゴルジャのパンチを受け止め、投げ飛ばそうとした。攻撃を避けてカウンターを仕掛けても無駄だとわかったからだ。


しかしゴルシャのパンチは受け止めることはできなかった。とても速く重いパンチは俺を吹っ飛ばした。



俺は態勢を立て直すため、ゴルシャから少し離れた場所に移動することにした。


しかし、移動している俺の真後ろにはゴルシャがいた。物凄い速さで俺の真後ろに迫っていたのだ。



「速いっ‼」

閃光フラッシュっていうのも、随分鈍いな」



ゴルシャはそう言うと、俺の目の前に回り込み、俺に向けパンチを放った。

俺はそのパンチを避け、カウンターを仕掛けようとしたが、ゴルシャはパンチを打った姿勢からパンチを放つ前の態勢に戻っていた。



これがゴルシャの強さの秘密だ。

本来なら身体の重心を使ったパンチは、攻撃力を高める代わりに、放った直後の隙が大きく生まれる。

その隙にカウンターを与える。これが今まで俺が行っていた戦闘スタイルだった。


だが、ゴルシャにはそれが通じない。ゴルシャは身体の重心を使った重いパンチでも、瞬間的に態勢を立て直すことができる。


そうなればこれほど厄介なボクサーはいないだろう。速く重い攻撃を隙無く放つことができる。

黒虎連合では彼のこの戦闘スタイルを一種の能力と判断し、その能力を隙無ゼロスペックと称した。




俺の放つパンチがゴルシャに直撃する前に、ゴルシャのパンチが俺を殴り飛ばした。


ゴルシャは殴り飛ばした直後、また俺へと走り出した。

態勢を立て直した俺はゴルシャに迎え撃つ。


ゴルシャは俺にパンチを放とうとしたが、俺はゴルシャの真下でしゃがみ込み、アッパーを仕掛けた。

ゴルシャは瞬間的に態勢を変え、俺のアッパーを避けると、今度こそ俺にパンチを仕掛けた。



俺はそのパンチを両手で防御した。防御したのにも関わらず、俺は殴り飛ばされてしまった。


殴り飛ばされた俺は地面をゴロゴロ転がり、起き上がった。


「まだだ……」


起き上がった俺に向かってゴルシャが攻撃を仕掛けた。

俺はカウンターを仕掛けようと、パンチを放つ姿勢になったが、俺の右腕はピクリとも動かなかった。


俺はゴルシャのパンチを避け、左腕を動かそうとしたが、左腕も動かなかった。

腕を動かせないことに動揺している俺をゴルシャは殴り飛ばした。



「もうお前のその腕は動かねぇよ」



ゴルシャはそう言った。両腕が使えず、膝を地面につき、ゴルシャを睨んでいる俺は問いかけた。


「何をした」

「お前の腕は俺のパンチを二度もガードした。お前の腕は壊れたのさ」


両腕が使えず、立つこともままならない俺にゴルシャはこう言った。



「お前の負けだ」








評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ