23話 ゴルシャとリケッド
俺とゴルシャは知り合ってからすぐに仲良くなった。学校は違ったが、毎日帰り道で会っては外で遊んでいた。
そんなある日、ゴルシャはいつものように遊んでいる途中、こんなことを言い出した。
「俺、二週間後に引っ越すことになったんだ
「引っ越す?どこに?」
「ニューヨークを出て遠くに引っ越すらしい。だから、もうすぐでもう会えない」
「会えなくなっちゃうのか。やっと友達ができたのにな」
「引っ越す前に、俺が父さんから教えてもらったボクシングをお前に教えてやる!今度はお前が友達を守ってやれ!」
ゴルシャは俺にそう告げ、その日から俺はゴルシャにボクシングを教わった。
そしてその二週間後、ゴルシャは俺の前から姿を消した。
それから8年後。
高校生になった俺はバスで通学していた。
そんなある日、バスがジャックされた。
犯人は4人で行動していて、その内の一人が俺たち乗客に銃を向けていた。
「お前ら手を上げろ!荷物を全部よこすんだ!」
銃を向けた男はそう指示をすると、俺たちは思うままに従いました。
俺には助けが来ることを祈ることしかできなかったんス。
しかし、パニック状態に陥った運転手はバスを乱雑に運転し、バスはガソリンスタンドに突っ込んでいきました。
ガソリンがバスにかかり、バスの運転手はタバコを吸うために用意されたライターを火を灯した状態で、ガソリンに投げつけました。
「お前らみたいな悪党はこうしてやる!」
混乱状態に陥った運転手はそう言い、ガソリンに火を着火させました。
バスは炎上し、俺は窓から逃げ出しました。
しかし、窓から逃げ出そうとした目の前にバスジャックした4人の1人がいたんス。
その一人は俺を殺そうと近づきましたが、俺の顔を確認すると、攻撃する動作をやめました。
その男は、ゴルシャだったんス。
「今日は逃がしてやる。早く行け」
ゴルシャはそう言いました。
俺はゴルシャなのかどうかわからなかった。友達を守った男がこんなことするはずがない。
全てが怖くなった俺はその場から走って逃げ出した。
あのゴルシャがこんな犯罪者になるなんて思ってもいなかった。
俺はゴルシャを正すため、ゴルシャの目を覚ますため、央馬のパーティに入りました。
「ーーだから、今こうしてアンタと戦うことは、俺の目的だった」
剛迅と央馬として戦うことになったゴルシャを前に俺はそう言った。
そして俺はかつてゴルシャに教わったボクシングの構えを見せ、こう言った。
「アンタは絶対、ここで倒す‼」