21話 破られた央馬
「おいリケッド!大丈夫か⁉」
央馬のパーティに訪れた俺たち豪蓮はリケッドの様子を伺った。
央馬に訪れた理由は敵についての情報を得るためだった。一週間後に行われる北側領土奪還作戦に俺たち豪蓮も参加することが決まっていた。
「へへ、情けないッスね。俺」
リケッドはベッドで横になり、苦笑いでそう言った。
そんなリケッドにデュージルは問いかける。
「お前が倒されるなんて、相手は相当なやり手だ。誰と戦ったんだ?」
「ゴルシャだ」
「ゴルシャだと……?」
デュージルは動揺を隠せなかった。ネヴァはそんなデュージルに問いかける。
「白龍連合のゴルシャ。聞いたことはあるけど、そんなに強いんスか?」
「白龍連合には最強と言われている5人がいる。一人は俺たちがこの前戦った灯城、一人はトネイルが戦ったマラフという男、一人はリケッドが戦ったゴルシャ。そして、もう二人いると聞いた。その5人の中でもゴルシャは特に強いだろう。まさか奴を前線に出すとはな」
デュージルはそう話すと、リケッドは俺たちに言う。
「いずれ貴方たちもゴルシャと戦う時が来る。俺たちとゴルシャが所属するパーティとの戦闘情報も聞いて無駄にはならないだろう。俺たちは北側拠点で待機していた。そこに4頭の馬が来たんだ。敵兵の馬だった」
ーー1日前。北側拠点ーー
豪蓮と赫花が東側領土の守備をしていた時同じく、俺ら央馬も北川領土の守備をしていました。
そこに、4頭の馬が俺らがいる拠点に向け、物凄い速さで攻めてきたんです。その馬は白龍連合のパーティ、剛迅の馬だった。そのパーティにはゴルシャが所属していたんス。
遠距離攻撃を得意としない俺たち央馬は敵を拠点内に導き、接近戦を仕掛けました。
思い通りに剛迅は拠点内に馬に乗ったまま侵入すると、侵入したばかりの4人に攻撃を仕掛けたんス。
「罠か!」
剛迅の一人はそう言い、それぞれ馬から飛び降りました。俺たちはそのまま攻撃を仕掛けましたが、央馬の隊長が俺たちに指示をしたんス。
「一時退避‼」
俺たちはその指示に従い、敵から離れました。俺はなぜ退避させたのか隊長に問いかけると、隊長は剛迅の一人のアタッカーを指差しました。
そう、それはゴルシャだったんです。
「久しぶりじゃねぇの。リケッド」
ゴルシャはそう俺に言いました。俺も返事を返しました。「そうですね」と。
そして俺は問いかけました。「なぜアンタはそんな人間になってしまったんだ」と。
するとゴルシャは答えたんです。「“好敵手”を探すため」と。