19話 有名にしてやる
豪蓮と灯城が戦っている一方、トネイルが所属する赫花は他の三人を前にしていた。
赫花の刀を持った男は言う。
「4対3、圧倒的にこっちが有利だ!トネイル先輩もいるし!」
「油断するな!豪蓮は4対1でも苦戦している!気を抜くと死ぬぞ!」
「は、はい!」
その男は注意されると、慌てて刀を構えた。
すると敵三人の一人がトネイルに向かって走り出した。トネイルはその敵に向かって銃弾を放ったが、敵はその銃弾を瞬間的に避けた。
反応が早過ぎるのだ。
その敵はトネイルに接近すると、トネイルは至近距離で敵に向け銃弾を放ったが、また避けられてしまった。
銃弾を避けた敵はトネイルを殴り飛ばした。
「ククク。もっとよく狙って下さいよ。“射撃の虎”さん」
「ちっ……」
トネイルは舌打ちして起き上がる。
刀を構えている男は震えながら呟いていた。
「そんな!悪魔武器の魔鳥の眼球を持つトネイル先輩が攻撃を二回も外すなんて!」
すると先ほど刀を持った男に注意した赫花の隊長は言う。
「魔鳥の眼球は相手の動作、空気の流れを全て読み取り確実に攻撃を狙える眼だ。だが、あの敵はどんなに狙おうと……」
「瞬間的に避けてしまうということか」
トネイルはそう言うと、その敵は答えた。
「その通り、俺の名はマラフ。“射撃の虎”の銃弾を避けたってことで有名にさせてくれ」
「そうだな」
トネイルはそう言うと、マラフに向け走り出した。
するとマラフの胸ぐらを掴み、拳銃で頬を殴りつけ、殴りつけた直後に銃弾を放った。
「“射撃の虎”に敗北したということで、有名にさせてやる」
トネイルはそう言い放った。