16話 名前決め
黒虎連合による奪還作戦の翌日。
俺の所属するパーティはアジトにて、緊急会議を行うこととなった。
「お前らにも協力して欲しい話だ。心して聞いてくれ」
真剣過ぎるデュージルの目を見て、ネヴァはゴクっと唾を飲み、トルシャは黙ってデュージルを見つめ、俺はデュージルから放たれる言葉を待った。
そしてデュージルは言う。
「このパーティの名前を決める!」
「「い、今更⁉」」
俺とネヴァはツッコミを入れ、トルシャは呆れた顔でデュージルを見つめた。
デュージルは説明をする。
「一応、いくつか候補を考えたから、その内のどれかから選んで欲しいんだ」
「さっすがキャプテン!あらかじめ考えているなんてね!で?どんなのどんなの?」
ネヴァはそう聞くと、デュージルは答えた。
「スーパーアルティメットエレクトリカルハイパーエックス‼」
「な、長げぇ‼」
「ほ、他のは無いんスか?」
俺とネヴァはデュージルの考えたパーティ名に対してそう言うと、デュージルは答えた。
「じゃあ、二つ目の候補を言うぞ。サンシャインストームインパクーー」
するとトルシャがデュージルの顔にソファの上にあった枕を思いっきりぶち当てた。
「もういいよ」
「キャ、キャプテンー‼」
ネヴァは倒れたデュージルのそばに駆け寄り、トルシャはそのままシャワーを浴びに行ってしまった。
今考えるとこの集団は本当に何なんだ。と思えて来た。
俺はソファに座った。
「とりあえず、三人で考えましょ」
俺はそう言い、俺とネヴァとデュージルは3分間くらい考えた。
「うーん、思いつかないな」
「できればカッコいい名前がイイっすよね」
「他のパーティはどんな名前なんですか?」
俺は二人に聞くと、デュージルが答えた。
「例えば、この前俺らの援護に来たリケッドが所属するパーティ、“央馬”。とんな作戦でも成功させると言われている実力派パーティ、赫花。黒虎連合を立ち上げた長を守護するパーティ、黒将とかだな」
「黒将。凄いっスよね
。アレが敵だったら俺、ビビるッス」
ネヴァはそう言うので、俺は聞いてみた。
「黒将ってどんなパーティ何ですか?」
「普段は黒虎連合を立ち上げた長の守護に付き、必要に応じて作戦に参加することがある。一人ひとりがズバ抜けた戦闘力を持っていて、黒将の司令塔である“キシラ・ホワイト”という名の男は、一度殺すと決めた者を殺さなかったことは無い。と言われている」
「うわっ、嫌な感じ」
「とりあえず、名前考えないと……」
俺たち三人はその後、ひたすらパーティの名前を考えていた。
そして、翌日。
黒虎連合の本部より、俺たちのパーティに出撃命令が降りた。
どうやら白龍連合が攻撃を仕掛けて来たらしいのだ。
敵は北側領土と東側領土を攻撃して来たらしく。俺たちのパーティは東側領土を守ることとなった。
俺たちは支度を済ませ、馬に乗った。
「では我ら豪蓮!出撃する!」
デュージルの合図で俺たち豪蓮は、東側領土へと向けて駆け出した。
時同じく、平原を4体の馬が駆けていく。
その馬には白龍連合のパーティが乗馬していた。
「久々だな。俺たちがこうして作戦に出撃するとは」
「そんなだけヤバイってことでしょ」
「まぁ、すぐに終わる。俺たちはゴルシャのサポートをすればいいだけさ」
そのパーティはアタッカーのゴルシャが所属するパーティだった。
ゴルシャはニヤけながら言う。
「サポートなんていらねぇよ。邪魔なだけだ」