15話 援護到着!
俺の身体を覆っていた蒼い骸骨は、魔神の姿になり、俺の前にいた敵を睨んだ。
ネヴァはデュージルに聞く。
「……アレも、堕天の結晶の力か⁉」
「いや、アレは神谷自身の力だ」
デュージルはそう答えると、敵は俺に剣を向けた。
「ビビるな!あれはただの飾り!この人数で攻撃すれば、倒せる!」
「「「りょ、了解!」」」
敵は11人で俺へと攻撃を仕掛けた。
しかし、俺は魔神を身体に引き込めた。
「魔神が、奴の身体に入っていった⁉」
敵はそう言いながら俺へと攻撃を仕掛けて来る。
すると、俺は身体に蒼いオーラが纏い、目から蒼い光を放っていた。
「……いくぞ」
俺はそう言うと、閃光のような速さで移動し、アザエルが変化した剣を用いて敵を斬り裂いていった。
9人もの敵を一瞬で倒した瞬間、俺はその場でフラついた。
蒼いオーラも消え、その場に倒れそうになった。
「……神谷!」
デュージルは俺に向かってそう叫んだ。
俺の背後から二人の敵が斬りかかっていたのだ。
デュージルたちがいる場所から俺までの距離は10mほどあった。
俺自身も、意識を失う直前で攻撃を避けることは不可能。
誰もが間に合わないと思ったそのときだった。
デュージルの肩に何者かが手を置き、そしてこう言った。
「大丈夫ッスよ」
するとその何者かはデュージルの隣から瞬間的に移動し、俺の背後にいた敵二人を両手で殴り飛ばした。
「速いっ……!」
「こ、こいつ!」
殴り飛ばされた二人の敵は気を失ってしまった。
二人の敵を殴り飛ばしたのは敵地Aから援護に来た若い男性だった。
その若い男性を見てネヴァが言う。
「な、何だあいつは!ここから神谷までの距離は10mくらいあるのに、一瞬で瞬間移動しやがった!」
「奴の名は“リケッド・ラヨナー”。今回の作戦で敵地Aに行ったパーティ“央馬”のアタッカーの男だ。奴の攻撃は速過ぎて見えないと言われ、奴は“閃光”とも呼ばれている。白龍連合からすると、S級の危険人物だ」
デュージルはそう説明すると、リケッドは頭を掻きながら言い出した。
「なんだよ~、せっかく急いで来たのに残った敵は二人だけって!あんまりじゃないッスか!」
「おい!リケッド!単騎行動はするなと言っただろ!」
リケッドが所属するパーティ、央馬の隊長らしき人がそう言った。
「隊長が遅かったんで、先に援護来ちゃいました」
「リネッド……だっけか?」
俺はは起き上がりながらリケッドに話しかけた。
リケッドは返事を返す。
「なんスか?」
「さっきはありがとな。助けてくれて」
「あー、いいッスよ。気にしなくても」
今回行われた黒虎連合による領地奪還作戦は無事に成功し、黒虎連合は戦力の回復、及びに敵戦力を低下させた。
だが、この出来事を気に白龍連合は目を覚ました。
白龍連合のとあるパーティのアジトに一人の男が現れた。
「本部よりこのパーティに出撃命令が降りた。明後日、作戦に参加してもらう」
「ここが雇われるということは、我ら連合は危機に陥っているということか」
「まぁ、このパーティを雇えば次の作戦は必ず成功するでしょう。このパーティには、黒虎連合の閃光を上回るアタッカーがいますからね」
白龍連合の本部所属の男と、そのパーティの隊長は話していた。
隊長はとある男の方向を向いて言う。
「フッ、随分期待されているぞ。ゴルシャ」
するとソファに座っている短髪の男は答えた。
「黒虎連合の閃光を上回るだぁ?んなもん当たり前だ」
ゴルシャと思われる男はそう答え、ソファに座りながら、そのパーティの隊長に向かって言った。
「リケッド・ラヨナーに戦法を教えたのは他でもねぇ。この俺だ」