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悪魔の継承3  作者: 夜海 来火
第7章 運命の日へと
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126話 戦争前夜

運命の日まで残り1日。

黒虎連合はホワイト国の王城を拠点として身構え、来る白龍連合との戦争を待ち構えていた。

恐らく戦場はこのホワイト国になるであろうと黒虎連合の本部は予測していた。

着々と戦闘準備を整えている中、黒虎連合の各隊長、そしてボスによる作戦会議が開かれていた。

その会議には修行を終えた松田隼人と神谷シンも参加していた。

ボスであるケネス・アトワルトが口を開いた。

「ついに明日、この歴史ある王国で世界の運命が左右する戦争が開戦する。我々はこの戦いに何としても負けるわけにはいかぬ。それはただ我々の勝利のためだけではない。我々が守るべき者のため勝利するのだ。ここで、明日の作戦について再確認する」

するとケネスの隣に座っているメガネをかけた女性が話し出した。

「ここからは黒虎連合直轄第2部隊隊長ルーナ・オメガルドが説明させていただきます。まずこの戦争の勝利条件は白龍連合の制圧及び殲滅。そして約束の地によるジラ・バーバリタスの神の秘宝入手阻止となります。この二つの条件をクリアしなければ我々は敗北となります。次にこの戦争の戦力について説明します。黒虎連合と白龍連合の戦力の差は我々のホワイト国などの戦力加入したことにより、ほぼ互角であると考えられます。そのことを踏まえ戦力配置を考え出した結果、運命の鍵を使用し約束の地へと出陣するメンバーを松田隼人、神谷シン、トネイル・ハンネット、リケッド・ラヨナー、クラネ・ラルティとしたいと思います。ここまでで何か質問がある方はいらっしゃいますか」

メガネをかけた女性ルーナがそう話すと赫花の隊長が手を挙げた。

「確か運命の鍵というのは一つの鍵につき、5人まで転送が可能なはずです。黒虎連合が持っている運命の鍵は松田隼人氏と神谷シン氏が持っている2つ、つまり10人まで約束の地へと転送できるはず。なぜそこまで人数を絞ったのですか?」

「松田隼人氏の提案によりそうさせて頂きました」

「では直接本人にお伺いしたい。なぜですか」

「この人数が最も適しているからです。約束の地に降り立ったら、シン・トネイル・リケッド・クラネでパーティを形成させ、俺は単独でジラ・バーバリタスの下へ足止めをしに行きます。老齢の悪魔であるキルビス氏の情報によると、神の秘宝への場所は運命の鍵が導きます。シンらパーティは神の秘宝の場所まで行き、そこで䋝田セツヤ率いる白渕から神の秘宝を死守します。俺はジラ・バーバリタス討伐次第、神谷シンの下へと向かいます。万が一討伐できなかったとしても約束の地は1日経てばその場にいる権利を無くし、運命の鍵を使用し訪れた者は地上へと強制的に戻されます。ジラ・バーバリタスを何としても神の秘宝に触れさせない作戦でいきたいと思います。それに約束の地に戦力を注ぎすぎれば下界の戦争に支障が出てしまいます。それを考慮して考え出した結果です」

「では、話を続けたいと思います。約束の地での作戦は今松田隼人氏が仰った通りで進行します。下界での作戦ではまず、開戦前に雷神一族による電磁波の壁を生成してもらいます。敵はその壁を破壊するまでに5分ほどの時間がかかります。そのうちに風神一族の圧縮風圧弾で壁を破壊している敵を奇襲します。ここで敵の勢力をできるだけ減らします。やがて敵は電磁波の壁を破壊し王国の城下町へと侵入します。そこで再び電磁波の壁を生成し、侵入途中の敵勢力を分断させます。 城下町の外に残された敵は風神一族の圧縮風圧弾で、城下町内へ侵入した敵は180度の方向から我々黒虎兵とホワイト兵で襲撃します。万が一、作戦がうまくいかない場合、ボスであるケネス・アトワルト氏が出陣されます。ここで私の説明は以上とさせていただきます」

するとケネス・アトワルトが話し出した。

「必ずしも作戦通り全て上手くいくとは限らない。だが、もしもそうなった場合は仲間を信じるのだ。先代のキシラ・ホワイト氏は仲間を危険にさらすまいと仲間が見ていない場所でお亡くなりになられた。先代の意思を守るべきである。我々は明日、仲間を守るために戦うのだ」


一方白龍連合の本部前では出陣の準備が整っていた。

「30分後、出陣を開始します。全て準備は整いました。ジラ・バーバリタス様」

ガルドがジラ・バーバリタスに頭を下げそう申すと、ジラ・バーバリタスは巻物から三体の白い霊体を召喚した。

「この者たちは私と意思を共有する者。約束の地へはこいつらとシドウを連れて行く。私がいない間、ここの指揮はお前に任せるぞガルド」

「了解致しました。ジラ・バーバリタス様」

ジラ・バーバリタスは運命の鍵を握りしめた。

「いよいよ、黒虎連合……いや、最強の魔術師の意思を潰す時。継承などという愚かなる行為に蝕まれた者たちを根絶やす時……」


そして、いよいよ夜が明けた。


「……運命の開戦だ」


運命の日、当日。





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