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悪魔の継承3  作者: 夜海 来火
第7章 運命の日へと
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122話 先祖の頼み

俺は気がつくとレンと一緒に火山地帯のような場所に立っていた。

空は雲で覆われていて、そこらに溶岩が流れ込んでいる。周りを見渡している俺にレンは言った。

「着いたぞ、セツヤの精神世界だ。この世界のどこかにセツヤの精神はいる」

「こんな広いんじゃ見つけられないんじゃ?」

「いや、どうやらセツヤはあそこだ」

レンはすぐにセツヤの居場所を見つけ出したらしく、とある山の山頂を指差した。

俺とレンはその山の山頂を目指して歩き出す。


しばらく歩くとそこにはセツヤが背を向けて立っていた。俺とレンが来たことに気がつくとセツヤは話しかけた。

「僕の世界に足を踏み入れるとは、やはり只者ではないか最強の魔術師」

セツヤは俺たちの方向に振り向いた。

「これは驚いた、シンもいたのか。僕は潜在能力を引き出してからこの世界に自らの意思で来れるようになった。この世界には僕以外存在しないはずだ。いわゆる僕だけの精神世界。そこになぜ、お前がいるシン」

「血が……繋がっているからだ」

「なに?」

「セツヤ、俺とお前は最強の魔術師の血を引いた、腹違いの兄弟なんだ。最強の魔術師の子孫は同じ世代に二人存在してはならない。そこで俺たちは兄弟ということを秘密にされ、ホワイト国の血も引いてるお前は風神一族に、俺は雷神一族に配置され、やがてお互い兄弟ということを知らぬまま日本に連れてかれたんだ」

シンは全てをセツヤに打ち明けた。

「そうか、そうだったのか。正直驚いた、僕たちが最強の魔術師の子孫で兄弟だったなんてね。だがそれがどうした。所詮僕とお前は‘‘血が繋がった他人”だ。別にお前を特別扱いしたり仲間意識を持つ意味はない。寧ろお前を徹底的に潰す。最強を名乗るのは一人で充分だ」

「俺たちの先祖は争わないためにずっと努力してたんだ!俺は戦いたくねぇ!」

「なら無抵抗のまま息絶えるがいい。お前が俺の兄弟であれないであれ、お前は近々消すつもりだった。丁度いい機会だ、お前の息の根を止め、僕が最強の座を手に入れよう」

「何言ってもダメなのか!?セツヤ!」

するとレンがセツヤの前に立ちはだかった。

「俺がお前たち二人の前に現れたのは、それぞれに力を託すためだ。この力は互いを殺すためではなく、互いを助け合い、守るために使って欲しい。この力を使いお前たちがぶつかり合うのなら、それは俺が残した最大の過ちだ。死んでも償いきれないだろう。お前たちが決着をつけようとすればするほど地は荒れ、多大なる死者が出るだろう。だが、俺はお前たちを……子孫を信じている」

するとレンの姿が発光し、やがて光は二つに分裂した。すると、一つの光はセツヤにもう一つの光はシンに宿った。

シンは大事そうにその光を抱くと、セツヤはシンに言い放った。

「お前がどう思おうが、僕の気は変わらない。僕はお前を潰す!必ずな!」

セツヤはそう言い残すと、その世界もろとろ消えてしまった。


その頃、山の奥にあるキルビスの寺では神谷シンが意識を失ったまま眠っていた。

衝撃的なシンの事実をキルビスから聞いた松田隼人は一人、寺の庭で修行を行っていた。

「よし、この状態をコントロールできれば奴らを倒せる。ジラ・バーバリタスでさえも!」

キルビスは神谷シンの看病をしていると、何かに気づいた素振りを見せた。それは松田隼人も同じだった。

「この邪気は……まさか……!!」

キルビスはそう言うと、松田隼人は何かを感じ取った。

「……来るッ!!」

すると土の下から松田隼人を丸呑みするサイズの蛇が地表に姿を現した。

松田隼人は蛇の攻撃をバク転で避けると、土の下から現れた蛇は松田隼人に向け、口の中からさらに小サイズの三体の蛇を吐き出した。

三体の蛇は弓で放った矢のように松田隼人に急突進すると、松田隼人は三体の蛇を重力変化で地面に叩き落とした。

「この蛇、間違いない。お前かアルバトーラ」

「やっと見つけたぞ、松田隼人」

すると地中から現れた蛇の口を開け、そこからアルバトーラが姿を現した。

「お前と神谷シンを殺し、たっぷり金を稼いでやるよぉ」

アルバトーラはそう言い、戦闘態勢を取った。


「お前の相手は俺だ」


松田隼人も戦闘態勢を取ろうとした時、松田隼人の背後から意識を取り戻した神谷シンが立ちはだかった。

「何を言ってるシン!相手は白騎士のアルバトーラだ!お前では……!!」

松田隼人はシンの行動に反対しようとしたが、神谷シンから放たれるオーラを感じ取った。かつて少年の時に、ずっと共に戦っていたオーラを感じ取ったのだ。

「俺を信じてくれ、松田隼人」

「……仕方ない、わかったよ。今のお前なら大丈夫だ。行ってこい!!」

すると松田隼人は引き下がり、神谷シンがアルバトーラの前に立った。

「松田隼人は来ないのか?可愛い坊ちゃんが相手だとはね、アタシをあんま甘く見るなよ」

すると神谷シンは魔神のオーラを肌ギリギリに両腕のみに宿した。


「……装填」


すると腕に宿した魔神のオーラに雷の魔力が激しく纏った。

「お前たち白龍連合を倒すためにずっと修行してきたんだ、遠慮なく発揮させてもらうぜ」



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