105話 セツヤの過去episode7
「フタイが女神の血を引く者だっただと!?」
「落ち着け!所詮たかがフタイだ!油断せず大勢でかかればひねり潰せる!」
トロールたちはフタイの本当の姿を見て動揺を隠せずにいた。
フタイは天使武器の大天使の変化球を手から生み出し、トロールの前に立っていた。
そんなフタイにセツヤは肩に手を起き声をかけた。
「君の本当の力を見せつけてやれ、フタイ」
「そのつもりだ」
その後、フタイの活躍によりトロールの巣は壊滅状態に追いやられ、セツヤたちは無事に‘‘運命の鍵’’を手にし、そして新たな班員、フタイを迎え入れた。
数日後、セツヤの部屋にガルドが訪れた。ガルドは長細い箱を手に持っており、それをセツヤへと手渡した。
「これは?」
セツヤは長細い箱を見てそう問いかけると、ガルドは答えた。
「この前の任務の報酬だ。ジラ様からのお前専用の武器だ、しかもただの武器ではない。この世に三つしか存在しないと言われている天魔武器の一つ、魔覇の神剣だ」
セツヤは長細い箱を開くと、ガルドの言うとおり箱の中には光り輝く剣が入っていた。
「で、班員は集まったのか?パーティの最低人数は4人と前に伝えたが」
「もう人員は集めたよ、既にこの部屋に呼んである」
するとその部屋の扉からノックする音が聞こえた。
「入れ」
セツヤはそう答えると、その部屋にキビル、ミズナ、フタイが入ってきた。
その三人を見てガルドは少し微笑みながらその部屋を去って行った。
ガルドが退室後、セツヤは3人に話し出した。
「今日をもって、我々4人は白龍連合所属パーティ白渕と名乗る。構成を説明する、アタッカーがフタイ、テクニークがキビル、サポーターがミズナ、そしてパサーは僕だ。君たちは僕が指示することは直接的および絶対的に従ってもらう。そこで先に説明しておく、このパーティはいずれ白龍連合を脱退する」
三人は少し驚きを見せた。セツヤは構わず説明を続ける。
「脱退後、我々は‘‘運命の鍵”を手に入れるためジラ・バーバリタスもしくはそれ以外の鍵を持つ者を暗殺する。そこで鍵を手に入れる、これが目的の第一段階。その後、鍵を使用し約束の地へ到達する。そこで約束の地の秘宝を手に入れる、これが第二段階」
「約束の地?神の秘宝?」
キビルはそう聞き返した。
「すまない、説明していなかったね。ジラ・バーバリタスに鍵を手渡す際に聞いたことなんだが、この‘‘運命の鍵”は500年に1度、特別な皆既日食によって効力を発揮する。その時鍵となる石の近くにいる5人までの人間を約束の地へと転送することができる。その約束の地には最強の魔術師の前の時代、全ての始まりと呼ばれる神の秘宝が眠っていると言われている。万能の力だ」
「ジラ・バーバリタスもそれを狙っているのか」
フタイはそう聞き返すとセツヤは応えた。
「そうだ、そして秘宝を手にした後、我々白渕は目的の第三段階を達成する」
セツヤは窓の外を眺めて答えた。
「我々は、世界を統一する」




