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悪魔の継承3  作者: 夜海 来火
第6章 運命と断ち切られた絆
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100話 セツヤの過去episode2

薄暗い部屋でガルドはセツヤに全ての事実を話した。その話を聞いたセツヤは混乱する。

「俺が……そんな血を引いていただと⁉︎」

「お前の祖父がお前に話していた“おとぎ話”。あれはホワイト、ラグメニルム、バーバリタスの三家にしか伝えられていない伝説だ」

セツヤは黙り込みながらガルドを睨み付けた後、こう問いかけた。

「……その事実を俺に話してお前はどうするつもりだ?何を企んでいる?」

「お前に選択をして欲しいのだ。ラグメニルム家とバーバリタス家はホワイト国の王家を手に入れるために白龍連合という連合軍を立ち上げた。どうだ?䋝田セツヤ、お前はラグメニルム家の家主と言っても過言ではない。我々の連合軍に入り、一家の無念を晴らそうではないか」

「悪いがそんなホワイト国だと一家だの俺には関係ない。俺は日本で育った䋝田セツヤだ。それに俺は殺し合いはしたくないからな」

「お前に事実を全て話そう。お前らがいた街を悪魔界に変えたのは我々の仕業だ」

「なんだと⁉︎」

「こうするしかなかったのだ。ホワイト国はラグメニルム家の家主の子供を追放後、抹殺するよう計画を企てていたのだ。ホワイト国はお前を探すため何人もの犠牲を払いつつ見つけ出すだろう。そうなる前に我々がお前を保護したのだ。お前だけじゃない、お前を見つけ出すために犠牲になる人々を含めて守る選択を我々はしたのだ。あの街がああなってしまったのは仕方のないことだった」

「だったら俺がそのホワイト国に出向いてやる。俺がそこに行けば、誰も犠牲にならずに済むだろう」

「ラグメニルム家がどんな想いでまだ赤子だったお前と家主の老父を送り、どんな想いで家主の処刑を見たか。お前には想像できるか?赤子だったお前はその時の光景を憶えてはいないだろう。だが、あるはずだ。お前の記憶の小さな断片の欠片に。あの悲惨な光景とお前の怒りの感情が」

「黙れ‼︎」

ガルドはしばらく黙り込んだ後、こうセツヤに告げた。

「どうやら俺の部下が神谷シンの居場所ととある一族の居場所を見つけたそうだ。俺は今からそこに行く。お前はここでどちらを選択するか考えていろ。同胞の意思を組み取り我々の同盟に加盟するか、同胞の意思を消し去るか。お前の好きにすれば良い……」

ガルドはそう言い残すと、黒い煙幕がガルドを包み消え去った。

セツヤは一人その部屋に残り考えた。


そして三日後、白龍連合のアジトにあるジラ・バーバリタスの部屋にガルドが入室した。

「失礼します。先日申し上げたラグメニルム家の者を連れて参りました」

「ご苦労だったな。その者をここに呼びなさい」

「入れ」

ガルドがそう合図を出すとセツヤはその部屋に入室した。セツヤはジラ・バーバリタスを睨みつけて問いかける。

「あなたがバーバリタス家の家主、ジラ・バーバリタスなのか?」

「そうだ。䋝田セツヤ、お前がここに来たということは白龍連合に参加するということで良いんだな?」

「俺の両親。俺がずっと知りたかった疑問がホワイト一家に潰されていたことを知った今、俺の中にあるのは復讐。しかし、それだけでは世が安定しないのはわかる。また新しい争いを生むだけになることも。だから、俺が目指すのは復讐ではない。人類の進歩だ。人々が今までの概念を捨て、新たな思想を持つようにする。そのためには王権を握っているホワイト国が邪魔だ。まずはホワイト国が作り上げた黒虎連合を潰す。そしてーー」

セツヤはふと目を閉じ、昔の光景を思い出した。幼き自分の姿を思い出し、その姿を記憶の中から消失させた。

すると目を開けてこう言い放った。


「僕の名はレジル・ラグメニルムだ」




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