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悪魔の継承3  作者: 夜海 来火
第6章 運命と断ち切られた絆
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98話 白渕の野望

デュージルの帰りを待つ両親を暗殺した犯人を捕らえるため、ネヴァ、トルシャ、メルタはデュージルの家に五日間泊まることになった。

襲撃されたデュージルの家は特に争った痕跡は無く、メルタたちは快適な状況で宿泊することができた。


その頃、悪魔城を襲撃した二人、ミズナとフタイが白渕パーティのアジトである洞窟に帰還して来ていた。

「遅かったな。それで、居場所はわかったのか?」

暗闇の奥からセツヤと思われる形相が二人に問いかけた。

「いいや、なかなか口が固くてな。聞き出すことはできなかった」

「悪魔王にはちゃんと例の器具を取り付けたか?……まさか、殺したんじゃないだろうな」

「いや、器具は取り付けた。恐らく悪魔王は松田隼人に今回の襲撃のことを伝えに接触を図るだろう」

「よくやった。それならもう松田隼人の居場所を見つけたも同然だ。発信機の魔力反応が50万Vボルテージを上回ったら俺に伝えろ。その時が来たら、松田隼人へ襲撃をかける」

セツヤと長髪で目が隠れるほど前髪が長い男が暗闇の奥から姿を現した。

「あれ?随分傷だらけじゃないッスかフタイさん」

目が隠れるほどの長髪の男はそう問いかけると、フタイは機嫌悪そうに黙り込んだ。

「まぁ無理もないさ、相手はあの悪魔王だったんだ。でも、あなたがここまで傷だらけになるのを見るのは珍しくてね、レアだよ、レア」

フタイは長髪の男に怒りを見せつけた。

「キビル、そんなに俺に殺されたいか」

「ん、そんなことないよ。そもそもあなたが俺を殺れるかどうかもわかんないしね」

「……」

フタイがキビルへ一歩足を踏み入れようとしたとき、セツヤが言い放った。


「止めるんだお前たち」


その言葉は二人の心の奥底で恐怖心というものを思い出させ、二人の行動を不自由にした。

「……すまなかったよフタイ」

キビルはそうフタイへと言った。ミズナはそんなフタイとキビルの姿を見ながら呆れつつ、彼らと出会った時のことを思い出していた。


そう、全ての人生が変わったセツヤと出会ったあの時のことを。






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