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悪魔の継承3  作者: 夜海 来火
第5章 白龍本部襲撃作戦
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95話 逃走

「ーージルさん!デュージルさん!」

(……デュージルとは誰だ?倒れている俺を心配そうに見つめるこの二人は誰だ?)

「しっかり!デュージルさん!」

白龍連合本部の建物内で、倒れているデュージルにネヴァとトルシャが駆け寄っていた。

(俺はデュージルではない。俺は誰だ?デュージルでもなく、ジウルでもなく、ゴルガでもない。俺は何だ?俺とは一体?)

意識を取り戻したばかりの彼は自分が何者かわからなくなってしまっていた。しかし、彼の中で強欲に満ちた声がどこからともなく聞こえていた。


(お前は俺だ!俺とは白龍連合最強の剣士、ゴルガなのだ!)


「……ゴルガだ」

起き上がった彼はボソッとそう言った。

彼の声をもう一度聞こうとネヴァは耳を傾けた。すると今度ははっきりとこう言った。

「俺はゴルガだ!」

するとゴルガはネヴァを片手でなぎ倒し起き上がった。トルシャとネヴァは戦闘態勢を構えたが、ゴルガの中である記憶が蘇った。

「……殺された」

ゴルガはボソッとそう言うと、トルシャは拳銃をゴルガへと向けた。

「やはりもうここで殺すしかないわ。せめてデュージルは私たちの手で殺すべきよ」

トルシャはネヴァにそう言いながら、拳銃の引き金を引こうとした。そのとき、ゴルガは急に頭を抱えて苦しみだした。

「あああああ!!そうだ!俺の仲間は!俺の家族は!俺は!白龍連合殺された!」

「落ち着いて下さい!デュージルさん!」

「黙れぇ!!」

ゴルガは荒々しいオーラとともに衝撃を放ちゴルガに近づくネヴァを吹き飛ばした。


「あああああ!!ダメだ!ネヴァ!トルシャ!俺に近づくな!!」


「「!?」」

ネヴァとトルシャは驚いた。ゴルガの口からデュージルと思わしき人格の声が聞こえたのだ。

しかし、ゴルガはすぐにネヴァとトルシャを睨みつけると、窓から逃走し、ネヴァとトルシャの前から姿を消してしまった。


黒虎連合による白龍本部襲撃作戦は独立パーティ朱瑩の支援もあり黒虎連合の勝利に終わった。白龍連合本部を占拠したことにより、白龍連合の勢力は衰退していき、黒虎連合は大陸の8割ほどの領地を占領した。

今作戦の黒虎連合死亡者124名。

白龍連合死亡者536名。行方不明者4名。


その黒虎連合と白龍連合の様子を伺っていた二人の者たちは森の中を歩きながら会話をしていた。

「白龍連合がここまで衰退するとは。まぁ、無理もない。バーリルが破られたんだからな」

「とりあえずボスに報告だな。ボスはこの戦いの結果で今後の動きが変化すると言っていた」

「そこまで重要な戦いだったのか?」

「あぁ、そうだ」

やがてその二人は森の中にある洞窟にたどり着いた。洞窟の中にはセツヤが待っていた。

そうその洞窟は独立パーティ白渕のアジトだった。

「早かったな二人とも。で、どうだった?」

「白龍連合本部は墜とされた。黒虎連合の勝利よ」

「白龍の大将のジラ・バーバリタスはどうした?逃走したのか?」

「彼とガルド、バーリルは逃走した。他は全滅よ」

「まだ生きているのか。やはりジラ・バーバリタスは“運命の鍵”を持っている一人なのだろう。皆既日食の日にその鍵を持つ者は、既に運命によって決まっている。恐らくジラ・バーバリタスはどうやっても殺せはしない」

「じゃあ、皆既日食の日までこの洞窟で隠れ続けるってことね」

「いや、少しでも危険な存在はいち早く排除しておこう。独立パーティ朱瑩を見つけ出し壊滅させる。朱瑩の司令塔パサーである松田隼人は“運命の鍵”を手にする可能性が充分ある。これよりミズナとフタイは悪魔界に行き、朱瑩についての情報を集めて来い」

「了解」

そうミズナと思われるショートカットの女性は答えると、フタイと思われるサングラスをかけた男とともに黒い箱ブラックボックスで悪魔界へと飛び去った。





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