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十人十色  作者:
1/8

理想的な白色

やあ、こんにちは。


僕の名前は―――・・うん、面倒くさいからのちのち紹介することにするよ。

それより、ここはどこだと思う?

――――そう、無だよ。この世界には何もない、ただの真っ白な箱のようなものさ。何も見えないでしょ。四方八方真っ白で、壁も床も天井も何もかも存在しない世界だ。

つまらない?

だってしょうがないだろう?ここには何もないんだから。でもね、何もないとそれはそれで楽だよ。だって、何も存在しないんだから。人間関係で恐れることもなければ、恋愛で苦しむこともない。キミだって一度は思ったことあるだろう?


この世界からいなくなりたい――――・・てね。


ここはそんな願いを叶えた場所なんだ。

でも、やっぱり独りってのも寂しいよね。だから、人を呼び寄せようとも思ったんだけど。何しろ呼び寄せるにはあまりにも毒々しい人たちだったから。


狂った赤色。

無力な桃色。

嫉妬深い橙色。

嘘つきな黄色。

無関心な緑色。

冷酷な青色。

非現実な紫色。

自分勝手な黒色。

優しすぎる茶色。


そして、僕の世界。

僕の理想によって創られた汚れたモノは何もない、理想的な白色。


僕は僕の他に、九人を呼び込もうとしたんだ。でも、皆色を持っていた。

充分すぎる濃い色をね。あんな人たち、呼び寄せただけでこの真っ白な世界が汚れちゃう。

だから、諦めた。

当分は独りでもいいかな、って思った。ま、この完璧な世界が汚れるよりはマシでしょ。



僕が出会ってしまった、毒々しい十の物語。

※修正。紫色を入れるのを忘れていました、すみません。

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