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-出会い-

始業式。


この学校はクラス替えや担任が変わることがないからみんな見慣れたメンバーだ。


だから今年も智も一緒だし。


「おはよ!智」


「ん?おはよー優紀」


「早速、寝坊かよ!今日始業式なのに」


「仕方ないじゃん、春休み遅寝遅起きだったんだもん。体が慣れなくて…ふぁ」


こんなたわいのない話をしてる瞬間が1番の幸せだった。チャイムが鳴り、担任が教室に入ってきた。



「おはよう!みんな今年もよろしくな!今日は転校生を紹介するぞ。入れ上木」


そう言われて入ってきた転校生をみた瞬間…クラス中が大騒ぎになった。


「まぢかょ!!チョーかわいいんだけど!!!」


「キャー!キレイ」


教室に入ってきたその子は今までに出会ってきたどんな女の子たちよりもキレイで可愛かった。


女であるはずのあたしでさえしばらく目が離せなった。


「おまえら静かにしろ!上木がビックリするだろ。ごめんな上木うるさいやつらで」


「あーせんせ。ひどいなぁ」


「ほら、上木に自己紹介してもらうから静かにしろ!!ほら上木自己紹介」


そういわれて黒板に名前を書いて


「上木楓(かみきかえで)です。諸事情でこちらに転校してきました。あ、あたし見かけによらず結構サバサバしてるんで気軽に話しかけてください!よろしく。」


その言葉通り見た目に反してちょっと男の子っぽさもあるような気もした。


少し違和感はあったが、その時はそんなに気になることではなかった。


「そーだ、副会長!」


「はい!」


「話は聞いてると思うが、しばらくの間上木の面倒見てやってくれな!学校案内とか」


「わかりました」


「じゃあ席も副会長の隣な」


その時クラスの男子が


「副会長いいなー!せんせオレじゃだめなのー?」


「お前らにこんなかわいい子の面倒なんて任せられるか!それに他の先生たちも副会長を推薦したんだよ!」


クラスに笑いが起きた…そしてみんな「副会長が適任に決まってんじゃん!」と口をそろえた。


「ちぇっ仕方ないっか。副会長なら真面目だし譲るか!あっ!副会長抜け駆けはダメだからね!」


「えっ!そんなこと…。」


あたしはビックリした。


クラスでこんな話をする日が来るなんて思ってもいなかったから…


こんなことを考えてたら、隣に上木さんがきた。やっぱりカワイイ…


「えっと…副会長?よろしく!」


といって握手をされた。


「あっ。うん。よろしく」


「いきなりなんだけど、今日の放課後さっそく学校案内してもらえるかな?早く慣れたいからさ!時間空いてる?」


「大丈夫だよ!でも、生徒会室にちょっと顔出さないといけないから少し待ってもらうけど大丈夫?」


「大丈夫!!じゃ教室で待ってるから」


授業が終わり休み時間になると上木さんの周りには人の群れができた。


噂を聞きつけた他のクラスの子たちも見に来ていた。


それに上木さんは言ってた通りサバサバした性格ですぐに友達も出来ているようだった…


「俺が面倒見なくてもいいんじゃね…」と小さな声で言った瞬間、智の声がした!


「なぁ優紀。上木さんすげぇな」


「…!!」


「優紀も上木さんみたいなのがタイプだったりすんの?」


ビックリした…


「ん~。確かにかわいいとは思うけど今は女の子に興味はないかな。お前は?」


「俺はめっちゃタイプ!」


「えっ!?」


「なんでそんなに驚くんだよ。俺だってそろそろ恋したいじゃん?」


まさか…智がそんなこと言うなんて思わなかった。あたしは必死に動揺を隠すように言った。


「じゃなくて、この前の子彼女じゃないの?」


「あぁあの子!違うよ。落ち込んでたから慰めてただけ!」


智が彼女を作らないことは知っていたから慰めてただけってのも本当は知っていた…


智は、みんなから慕われてるし実行力あるしかっこいい。


男女かまわず優しいから、女の子も智に近づいてくる。


だから、付き合ってると勘違いされることが多々あるけど、女の子と付き合うことに関してはすごくしっかりしてる。


でも、さっきの智の言葉が気になる…上木さんと付き合ったら美男美女のカップルだな。とか思い上木さんにちょっと嫉妬してしまっ…「まただ…」女の子に戻りたいって思ってしまう自分がいる。


智といるとたまにこんな感情が湧き出てくる。


でも、あたしはこの学校卒業するまではこの気持ちは封印するって決めたから……


まっ、それに男としてここにいる以上恋は出来ないだろうけど…


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