食うんじゃねー
朝起きたら土左衛門になっていた。
水面から挿し込む眩い朝日に照らされて目を開けたら、海の底を漂っていたんだ。
土左衛門になっているのはいいんだけど……、なんで俺、土左衛門になったんだっけ?
『ウーン? ウーン? ウーン? あ! そうだ思い出した。
昨日、海水浴場の沖合で、砂浜に寝そべって身体を焼いている可愛い女の子たちを鑑賞してたら、後ろから来た水上オートバイに頭をかち割られて死んだんだった。
エート? エート? エート? なんだっけ、あ、そうだ。
あの野郎……あの女郎かも知んないけど、俺が此処で土左衛門になっているって事は、逃げやがったなチクショーめ。
なんか頭が悪くなったような気がするな……。
あ、コラ! そこの魚共、俺の脳みそを食うんじゃねー』




