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エンゲブラ的短編集

桃太郎の正体

作者: エンゲブラ

我が名は、桃太郎。

だが、これは通り名に過ぎない。

金の気を象徴し、霊果でもある桃の川流れの風説は「貴種の庶子の流離」の隠喩である。


ここでいう貴種とは、もちろん、この地の豪族である吉備氏を指す。私を川から掬い上げたとされる老女は、私を託された吉備氏古参の女官であり、雑草を刈る老人もまた護衛兼指南役の男のことである。


太郎は、本来、嫡男に与えられる名である。だが、彼らには各々に家族があり、桃太郎という名も、彼らによってつけられたものではない。


私は、生まれながらに、鬼を討伐するという試練を課せられていた。非嫡出が功を上げることにより、正式に一族に迎え入れられるための通過儀礼であった。


従者のイヌ、サル、キジ。

イヌは、武門の犬養氏。

サルは、神楽かぐらや祭祀に携わる猿女さるめ氏。

キジは、雉子きじこの諜報員=忍びたちを意味する。


私は、彼ら有力な土地の氏族たちを従え、鬼ヶ島(=現在の犬島)を根拠地とする、瀬戸内の海賊団の討伐へと乗り出した。腰にぶら下げていた吉備氏のぎょくを各々ひとつずつ、褒美とし。―― 色違いの四つの玉は、吉備氏が直轄する四つの領地の所有の証であった。その内の三つを分け与えることにより、彼らは此度こたびの征伐に協力したのであった。


征伐には、多くの時を要した。

だが、海賊は、多くの財宝を島に貯めこんでもいた。

私はそれらの接収と献上により、ようやく正式に吉備氏に迎え入れられることとなった。


吉備桃九郎実次キビノモモクロサネツグ

これが、現在の我が名である。


挿絵(By みてみん)

なんか、コーエーみたいな絵柄で生成しやがった。

もっとのっぺりとした桃顔のつもりだったのに(苦笑)。

無論ジョークです。書きながら適当に作った。

真面目な歴史考察とかじゃないので、真に受けないように(笑)。


桃九郎になったのは、九番目の生まれ、実次は一族の次席となったオチの暗示。

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― 新着の感想 ―
ついに桃太郎もハリウッド映画化ですか⋯⋯(笑) ハリウッド版のあらすじかなと思うほど、発想がいいですね。 きびだんごを玉(ぎょく)としたり、通過儀礼なんかも上手いなぁと思いました。 他のお話もぜひ見て…
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