タイムトリップ
SFカテゴリーで『光と陰-織りなす夢に形』に、双子の美人をヒロインにして毎日投稿しています。
僕らの人生における『夢』って一体なんなんだろう? というテーマで物語を綴っているのですが、それを読んで頂いている方々はもちろん!エッセイ好きな方々も是非ご一緒に時間を過ごせればと思い、そもそもSNSでアップしていたエッセイをここに書くことにしました。
実はエッセイを書くのが好きなのですが、そんなものを投稿しても誰も読んでくれないだろう!と思い、その気持ちを小説に織り込んでいました。
このエッセイで書く事柄は、その物語の種になっていくのだと思います。
その時々で思った事感じた事を綴っていくため投稿は不定期です。
こちらも是非お付き合い下さい!
僕は以前よくタイムトリップをしていた。
タイムスリップという人がよくいるが、
厳密にいうと
タイムスリップとは行き先が特定できないらしい・・・
そもそもの出所の英語圏では、通常TIME TRIPが一般的でもある。
一番のタイムトリップが望めるのは・・・
その時代の物の空間に浸ることだ。
僕は、以前、ヴィンテージの車に凝ったことある。
といっても、レアなコレクターアイテムではなく、
いわゆる空冷のワーゲンだ。
メンテナンスにはお金がかかるが、
車そのものはそんなに高価ではないからだ。
ライフスタイル的にキャンパー時代であったため、
まずはタイプ2こといわゆるワーゲンバスのキャンパーが最初の車だった。
アーリーと言われるタイプで正面に大きなVWマークがあり、
ツートーンのバスが一般的なイメージだと思う。
僕のキャンパーは1967年の車でオールロータスホワイトカラーのほぼオリジナルだった。
これが最高!
妻と愛犬と一緒にいつも乗っていたが、
運転席に座ってトラックのようにほぼ水平についた大きな細いステアリングを握ると
いつもニコニコになった。
時代を感じるものは、
まずはサイドにある三角窓
僕の子供時代の60年代には車はほぼこの三角窓があり
ここから風を取り込んでいた。
これは優れものなのだ。
そして、運転席
オリジナルなので、鉄でできたヤレたダッシュボードやメーターロゴ
60年代そのものを感じることができる。
キャンパーのため寝泊まりもできる居住空間もある。
まるで小さなリビングなのだ。
そのリビング空間に座ると
一気にタイムトリップの気配を感じる。
促進剤として、ヴィンテージルックのラジカセで60年代のミュージック
クッキングに使用するバーナーやウォータージャグ
そしてガソリンランタンは
コールマンのその年代のヴィンテージものを揃えた。
おまけに僕たちのファッションも60年代チックにしてみると
室内の匂いも伴いながらあっという間にタイプトリップできるのだ。
すると全く手動であるウィンドウやドア
電気を全く使用しないこの空間に安やぎを感じるのだ。
なるほど、60年代ってこんな感じだったんだなー
と思えた瞬間
時間の流れが変わってくる。
まるでタイムマシーン
本当にあったんだ!
と思えた。
その後 タイプトリップに凝ってしまい・・・
1962年のカルマンギア
1972年のタイプ1 ビートル
そして80年代のクラッシックミニと揃えてしまった・・・
内装は、それぞれその時代を物語る表情であるため、
それぞれの運転席に座ると、
違った時代に行けるのだ。
しかし、それを感じるには条件があった。
その時代のリズムで生活しないとダメなのだ。
例えば、
まずは、僕のカルマンギアを例に取ってみると
キーを入れてイグニションを回す
機嫌が良ければ1発で点火
寒いとチョークが必要になる。
まずこれだけで時間もかかるのだ。
そしてマニュアルギアなので、
アシストがない重いクラッチを踏んで
半クラでスタートし、1速、2速、3速とゆっくりと入れていく
4速までしかない。
RRのため後部にエンジンがあり後輪が動く
ボボボボボボ
空冷のフラット4の独特なエンジンサウンドが心地よい
走り出すと、なぜか風に触れたい気分になり
手回しのウインドウを少し開ける
一気に気持ちがいい風がエンジンノートと共に流れ込んでくる。
空冷のため、暖機運転はいらないのだが、エアコンもない。
そして、たまにどこか故障する・・・
まあ、いいか・・・
という感じだ。
そう、言い忘れたのだが、
空冷のオイルパンからオイルが漏れるので、
乗る前に必ずオイルチェックや補充が必要になる。
僕がこの子達を持っていた時代は、
コンサルティングをしていた時代でもあり、
時間的にはとても余裕があった。
こんな風に車を転がしても全く苦にはならなかったのだ。
それが、それが、
教員になってからは金も時間もなくなり・・・
勝手が違ってきてしまった。
『時間がないのに、コイツ、手間暇かかるよな〜』みたいに・・・
それで、泣く泣く全て売ってしまった・・・
そして、それからはタイムトリップもできなくなってしまったのだ。
リタイヤした今
もったい話だ・・・
と思う。
今では、程度のいいタイムマシーンもなかなかなく・・・
そして、時間がかかったが、
他の簡易的な方法を見つけたのだ!
それは、
その時代の音楽を聴くことだった。
目を閉じると
行ったことがある時代には再びタイプトリップできるようになった。
まるでその時代の空気を缶詰に閉じ込めたような、
缶詰をカチッと開けて堪能するのだ。
すると、
不思議と生活が豊かになってきた。
こんな経験を、僕のSF小説『光と陰ー織りなす夢の形』のストーリーの中の
ジュリア達が乗るホバージェットに盛り込んでいます。