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お題シリーズ6

ないものはない 魔力

作者: 仲仁へび



 あるところに、魔力が尽きた勇者がいた。


 勇者は魔王と戦わなければならない。


 しかし、それには魔力が必要だった。


 ならば、魔力を得るしかないが、その方法が限られていた。


 魔力を得る方法は、自然に回復するのを待つか、魔石から吸収するか、人間の生命力を使うかだ。


 一つ目の方法は時間がないからダメだった。


 定められた刻限までに魔王を倒さなければ世界が滅ぶからだ。


 刻限はもうあとわずかだ。


 二つ目の方法はも駄目だった。


 魔石を勇者はもっていなかった。


 これまでに何度も魔力が枯渇し、必要になったからだ。


 三つ目の方法も駄目だった。


 ここには勇者しかいない。


 そのため、勇者が倒れたら魔王を倒す者がいなくなってしまうからだ。


 つまり、勇者は世界を救えない。


 世界は滅亡するのが確定していた。


 風景を見れる魔道具で、遠くからその様子を見ていた魔王は、高笑いをした。


「ないものはないのだ。勇者よ! 諦めるがいい!」






 それでもないところから何らかの方法を作り出すのが勇者だった。


 勇者はこれまでに、不可能を可能にしてきた。


 だから今回もそうしたのだった。


 世界の認識を騙し、勇者の周りの時間を少しだけ早く流れさせて、魔力を少し回復した。


 そして、魔王の元へ進むまでに倒した敵の魔石を利用して、魔力をさらに回復した。


 最後に、魔王が作り出していた自らのコピーの培養装置を見つけ、勇者は勇者のコピー体を利用。


 そのコピー体の生命力を使って、魔力を回復させた。


 そうして勇者は魔王との最終決戦に臨んだ。


 戦わずして世界の行方が決まるという事はなくなった。



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