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夏休み

 望月さんは、オレとキス…してくれるの?

 

 イコールオレのこと好き…だったりするのかな?

 

 どうなんだろう…

 

 でも、なんでオレと…⁇

 

 

 なんだかわからないけど、望月さんの小言妄想でオレもドキドキしちゃっています。

 

 勝手にきいちゃって申し訳ないけど、なんか望月さんの心の声がとにかくダイレクトにきこえてしまうんだよね…。

 

 

 そんなある日の夏、いつもは嬉しい夏休みがやってきたじゃないか。

 

 …いつもは夏休み嬉しいんだけどさ、なんか…なんかちょっと寂しい気持ちがあるんだよね。

 

 望月さんと…望月さんの隣にまだ居たかったっていうかさ。

 

 

 でも、夏休みなんだし…仕方ない。

 

 もしかしたら、告白すればオーケーもらえるかも?なんて自惚れたりもしたけど…まさかのごめんなさいだってありうる。

 

 だから、オレは大人しく夏休みを迎えることにしたのだ。

 

 

 そして、長くつまらない夏休みを一か月以上頑張って過ごした。

 

 あいたい。

 

 オレは夏休み前、告白しようかと一瞬思ったんだよね。

 

 そこで気づいたんだ。

 

 オレは…望月さんが好きなんだって。

 

 いや、大好きなんだ。

 

 でさ、夏休みがあけたら…告白しようって思っているんだ。

 

 

 そして、張り切って新学期を迎えた。

 

 望月さんに早く会いたい‼︎そう思って、結構余裕を持っての登校。

 

 したんだけどさ…

 

 えっとー…

 

 …

 

 オレの隣の席にさ、知らない美人さんが座っているわけよ。

 

 ⁈

 

 どなた?

 

 えっとさ、転校生?

 

 だとしたらさ、普通先生に呼ばれての登場じゃないっ⁈

 

 なぜ…なぜしれーっと望月さんの席に座っていらっしゃる?

 

 はっ‼︎

 まさか…まさか望月さん…宇宙人にからだを侵略されたんじゃねっ⁉︎

 

 

 それ以外考えられない。

 

 ど、どうすりゃいいんっすか‼︎

 

 宇宙人め…

 

 どうやって望月さんを返していただこうかと考えていたら、いきなり

(あー、お腹すいたなぁ)

 と声がきこえてきたよ?

 

 えっ⁇

 

 えっ⁉︎

 

 もしかして…望月さん‼︎

 

 宇宙人に侵略されているけど、望月さん無事なんだね‼︎と、オレは望月さんを呼んだ。

 

「望月さん‼︎大丈夫⁉︎無事?」

 と、心臓あたりに話しかけた。

 

「えっとー…、うん。元気…」

(元気だけど、なんでサトウくんは…わたしの胸に向かって話しかけているんだろう?)と、言っているじゃないかーー‼︎

 

 オレは…新学期早々にやらかした。

 

 大好きな人の胸をガン見して話しかけるヤバいやつに認定されました…。

 

「おいー…、サトウー…望月さんがダイエット成功したからって早速そんなアピールずるいぞ‼︎」

 とクラスの男子からのブーイングを浴びた。

 

 ダイエットだって⁈

 

 宇宙人に侵略されてなかったのか。

 よかった。

 

「よかったよ‼︎望月さん‼︎」

 オレは一安心して望月さんにそう言ったのだけれど、望月さんには…

 

(ダイエット成功ってことなのかな?)

 と勘違いされてしまったのだ。

 

「あー、えと…」

 

 オレが言葉に詰まっているとクラスの男子が割って入ってきた。

 

「それより望月さん‼︎オレと今度デートしよ?」

 と。

 

 

 続く。

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