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隣の食いしん坊さん

こちらの作品は、カクヨムさまにも掲載中です。

 オレの名前は、佐藤さとう 尚都《なおと》。

 高校一年生だ。

 

 今日は、小春日和でとってもポカポカだ。

 

 全身モコモコの毛布にでも包まれているかのようだ。

 

 そとは、桜が満開だ。

 

 

(あぁ、わたしは桜もち。ミドリ色みたいな草色らしきミドリなサテン風の布に包まれたり包まれなかったりで、モチモチのわたくしが丸くうずくまる。ふふ…、わたくしは、桜もち〜♡あぁ、素敵な一句の出来上がりですわ♡)

 

 …

 

 また、食いもんのこと考えていやがる。そんでもって楽しそう…。

 

 

 

 オレの席のとなりに座っている望月もちずき 理衣りいさんは、食いしん坊だ。

 

 いつも、食べ物のことで頭がいっぱいらしいのだ。

 

 そして、さっきの桜もち話は…ひとりごとというか…実はオレはテレパスなのでききたくもないのにきこえてきてしまうのだ。

 

 授業中だというのに…桜もちとか言っていて大丈夫なのだろうか?

 

 …まぁ、オレも同じか。

 外眺めてたりしてたもんな。

 

 …

 

(あのー、もしもし……出前お願いできますか?)

 

 ⁉︎

 

 あのー、もしもしと言われて…一瞬オレが呼ばれたのかと思い望月さんの方をみると、なんと…

 

 なんと…

 

 望月さんは、耳に消しゴムをあてていた…

 

 え?

 何?

 

 たまに心の声なのか本当のリアルボイスなのかわからなくなる。

 

 …

 

 電話⁉︎

 だれと電話してんだよ⁉︎

 授業中だよ⁉︎

 …

 出前とか言ってたな…

 

 

 オレは思わず望月さんと目があってしまった。

 

 で…なんか軽くお辞儀をされた。

 だから、オレも一応お辞儀してみた。

 

 そしてそっと望月さんは、受話器を…いや、消しゴムを置いた。

 

(あーびっくりしたー。佐藤さとうくんにみられちゃった。てか、佐藤くんって甘いのかな?苗字がサトウなだけにさ!きゃっ、はずかしいぃ〜♡)

 とクネクネしだした。

 

 ……

 

 いや、なんか…なんかオレも恥ずかしくなってきた。

 

 望月さんは、結構…いや、そこそこふくよかなお方だ。

 

 でも、笑うとエクボができて二重のクリクリおめめがなんとも愛嬌がある。

 

(佐藤くんとの甘いキス。ファーストキスは苺ミルクの味でした♡なんてっ‼︎キャっ♡)

 

 …

 

 まだまだ続く望月さんの妄想。

 

 いやいやー…、もうやめてー‼︎

 恥ずいからー!

 と、勝手に赤くなるオレ。

 

 

 そして、望月さんとまた目が合い…お互いまたお辞儀…。

 

 

 二人して赤面して…なんかさ、なんかエアーキスしたみたいな変な感じになりましたよ…?

 

 なんなんだ…これは…。

 

 そんな望月さんの妄想小声を耳にしてから、なんか…なんか少し望月さんが気になるようになってしまった。

 

 どうにかして、心の声がきこえなくなるように耳栓とかもしてみたんだけど…やっぱり心の方からきこえてきてしまうのでとても困る。

 

 他の人からもポツリポツリときこえたりするけど、望月さんの声は…結構ダイレクトにきこえてきてしまうのだ。

 

 

 早く席替えしてくんねーかな…。先生…

 

 

(はぁ…)

 

 また隣の望月さんがため息をついて小言を言い出した。

 

(お腹空いたなぁ。朝ごはん、あと二杯ご飯食べられたなぁ。卵かけご飯なんてわたしには、スムージー同然だし、ソーセージなんて二本なんかじゃ足りるわけないよねー。髪の本数ないとちゃんと髪に栄養いかないでしょ⁉︎ね‼︎そうだよ、帰ったらおかあさんに交渉しなきゃだなぁ)

 なんて言っていた。

 

 …いや、どんだけソーセージ大好きなん?

 

 ってか、まだ一時間目ですよ?

 そんなに腹ぺこで四時間目まで持つのか?

 

 なんだか少し心配になってきてしまった。

 

 あっ!それより二時間目、英語の小テストー…。

 

 予習してないわ…。

 

 テレパスなんだからだれかの小言を盗み聞きすればいいと思うじゃん⁉︎

 でもさ、よっぽど頭いい人の脳内小言を集中してきかないと難しいんだよねー。

 しかも、そんなことしても自分のためにならないもんね。

 ってなわけで、急いで覚えた。

 

 えっとー、蜂は英語で…

 

(あー、おなかすいたぁ。すいたすいたご飯が炊けました。すいたすいたぁ)

 

 …

 

 う、うるさい…

 

 望月さん…どんだけ腹ぺこ…ってか、途中ご飯が炊けましたって言ってなかったか?

 

 

 …そんなこんなで、一時間目はあっという間に終わったのでありました。

 

 休み時間、望月さんにきこえるように

「あー、腹減ったなぁ。水でも飲もうかなあ、お腹膨れるし」

 と遠回しにアドバイスしてみた。

 

 そしたら、望月さんは…

「朝ごはんちゃんと食べなきゃだめですよ」

 とオレをみながら、プククと含み笑いしていた。

 

 …

 

 あ、そうっすね…。

 

 ははは…

 

 こうして、一時間目はほとんど望月さんの腹ぺこ話で過ぎてしまったのでありました。

 

 

 続く。

 

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