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朝帰りしたら迎えてくれるメイドさん
いつもなら絶望に満ちた気分だが今日は違う。
ヘリウムガスくらいの体の軽さ。
意味もなく家のベルを鳴らす。
少し下がって待つとすぐにメイドさんが開けてくれた。
メイド「お帰りなさいませ、ご主人様。」
息を止めて腹筋に力を入れ過ぎにしてとりあえず中に入った。
ここが本当に自分の家なのか。
鍵を挿していないから今日だけ違うかもしれない。
メイド「ご飯にしますか?お風呂にしますか?それともベッド?」
せっかくの朝。
メイドさんをじっくりと眺めたいに決まってる。
メイド「必死過ぎて引きます。」
めちゃくちゃ無理を言ってきてもらっているので言い返せない。
メイド「早起き大変だったんですからね。」
今は日曜10時。
とはいえいろいろ準備が必要なわけで早起きだったのは間違いない。
とりあえず朝ご飯がいいな。
メイド「はいはい、準備しますから着替えておまちくださいませ。」
魚の焦げたいい匂いがする。
朝から焼き魚は幸せだなぁ。
というか朝ご飯以外に選択肢は実質なかったのではないだろうか。
すべてを把握されすぎている。




