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うちのメイドは手厳しい  作者: おりゆき
15/20

メイドさんの目の付け所

湯気が台の横から出始めたタイミングで音が鳴った。

すかさずメイドさんは台の上でスチームを当てる。


メイド「まだ神経衰弱やってるんですか。」


溜まっていたワイシャツのシワが次々と伸ばされていく。

手を休めることなくこちらを見ているメイドさん。

人には得意なことと不得意なことがありましてね。


メイド「ご自分でやると言い張ったのにそんなに難問ですか。」


眼の前の床に黒の靴下を並べていた。

それを組み合わせる作業。

全部同じに見えてる。全部で20枚。


メイド「どうして同じ色を買いますかね。」


アイロン作業を中断して隣にやってきた。

スカートの裾を扱って座ると同時に1枚取り上げる。


メイド「わかりやすいのから始めればいいんですよ。」


続いて端のを1つを手に取ってもう畳んでいる。

いやいや早すぎでしょ。


メイド「どうみても幅が大きくなってますから。」


言われてみればそう。ゴムがゆるくなっていて他と大きさが違っていた。

どこを見ていたんだろう。


メイド「本当にどこ見てるんですかね。私ですね。」


間近にいるメイドさんに見とれていたのはバレバレだった。

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