優しさの訪問
1から順に数えていたはずが300をすぎたことろで記憶が途絶えていた。
目を覚ますと助けを求めたメイドさんが立っていた。
メイド「おはようございます」
動揺して窓の方を向いたが全然明るくなかった。
とてつもなく寝過ごしていたわけではないらしい。
メイド「カギがいつものところに置いたままでしたよ。不用心です」
その依頼の次の日から体調を崩していたわけで。
メイド「まるで私が風邪を移したとでもいいたいのですか」
そんなことは微塵も思っていないです。
いつものやりとりで頭が回ってきた。
そして換気扇の音に気づく。
メイド「おかゆとお寿司とメロンとスイカ、どれが食べたいですか」
おかゆ以外はメイドさんの食べたいものではないですか。
メイドさんの手作りおかゆですか?
メイド「まさか。湯煎のレトルトですよ」
まぁそうなるのは自明だ。
せっかく来てもらっているのだ。
ベッドから起き上がるときれいな床が見えた。
いつものようにきちんと掃除をしてくれたらしい。
さすがメイドさん、ありがたい。
メイド「それで、決まりましたか?」
お湯を用意してもらったところで悪いけどスイカかメロンが食べたいです。
メイド「ええっ!!」
聞き慣れない大声に少しばかり驚いた。
メイド「私が、食べようと、思っていたのに。」
トーンダウンしたメイドさんが運んできたのはシルバーのボール。
覗くと中には真ん丸にカッティングされたスイカとメロンの玉がたくさん積まれていた。
メイドさんに来てもらって本当に良かった。




