中国、戦術核を使用
海上封鎖や機雷敷設に一斉に各紙は大見出しだ。
当然、テレビも特番を組み タンカー爆沈の衛星画像を繰り返し流した
台湾テレビも中国が我が国に侵略戦争を目論んでいるとがなり立てていた
しかし日本の街角のデパートは 通常通りセールをやり パチンコ屋は相変わらず盛況 競馬場には今日も馬が走っていた^^
一部には買い出しとか騒ぐ報道もあったが 3日もすれば平穏だ・・騒ぎ立てる人は不思議といなかった。
一般国民はいずれ早期に収束すると楽観的であった
事の深刻さを理解しているのは 有識者と軍事専門家だけであり 平和ボケが沁みこんだ国民には 無理もないことだった。
4日、5日と経過するが中国の艦船は 完全に封鎖体制を固め 緩める気配など全くなく、 封鎖艦船の増強は続く
タンカー乗組員の遺体収容するための先発救助隊に 威嚇射撃をし 協力姿勢は微塵も感じられなかった
中国と日米は非難合戦に終始し 国連安保理も 仲裁のしようがない・・
肝心の中国最高指導者からなんの正式な返事もなく漏れ聞こえてくるのは 側近の強硬な発言ばかりで
封鎖排除の武力行使には いかなる国家に対しても断固反撃し 完膚無きまでに撃滅する
とかのものばかり・・真意は全く掴めず 日本政府は次第に苛立ってきた
こんなことは想定してなかった。 万が一の有事には開戦と同時に どうするかのシュミレーションは いくつもあり 全て網羅しているつもりだった
それにシーレーンは 長大な距離であり その確保は米軍に全て頼ってきていた・・その米軍が全く動く気配がない・・ナニを画策しているのか日本側にも伝えられなかった
日本政府は戸惑い どうしていいのか判らず さしあたり自衛隊の動員と封鎖海域に向けての出動は命じたが 米軍頼みは否めず 戦闘指揮所の苦悩は続いていた
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一方、クソ中国の 習 近平は 国内の騒動を外の危機を醸成することで 注意を逸らせる目的で始めたものの 功を奏せずむしろ拡大の様相を帯びてきた・・
チベット ウイグルの武装蜂起が 拡大して警察力では抑えきれないので 軍の出動要請が来ていた
【くそ! 戦車部隊と戦術核ミサイル部隊を出動させろ!】 攻撃使用の裁量は現地司令官に任せると命じた
【主席!核を使用するのですか?】 解放軍の参謀長がビビって質問した
【当たり前だろ!・・背後まで手が回らん・・内地は核でたたけ! それに核を使用すれば 第7艦隊が否応なく出てくるだろう 】
【しかし核を使用するにはあまりにも冒険では?】と、食い下がる参謀長
【君は 人民解放軍の最高司令官である私に意見をする気なのか! 僭越なんだよ!命令に従え!
さもないと直ちに更迭だ 代わりはいくらでもいるんだ!】
主席は高飛車に怒鳴りつけた
そんなやり取りをしている時、
【主席!インド空軍が 領空を侵犯し 我国はスクランブルをしていますが 諜報部隊によると この機に乗じインド軍が動いてくるかもという情報がはぃっています!】
首席補佐官が部屋に飛び込んできた
【なんだと!?】
(チベットやウイグルに呼応しやがったな・・みんな米国のCIAの仕業に違いない)
そんなことになると 3正面作戦を余儀なくされる・・
加えて アメリカ第7艦隊の米原潜の動きが全くわからないというのだ
【バカ野郎! 探知能力はどうなってるんだ!・・判らんではすまんのだ!】
主席は黒い顔を真っ赤にして怒鳴り散らした・・
【間抜けどもが! とにかく云った通りだ!戦術核爆弾を使用せよ!2キロトンで充分だろ数発で反乱などは
鎮まる。いいか 核使用は反乱軍だが同時に米国をけん制することにあるんだ・・】
【米国を威嚇するのだ! 原潜も出動し
何かあれば米国本土を壊滅するだけの用意があることを準備行動で示しておけ!】
主席は ラストエンペラーの悪夢を自分と重ねていた 歴史を見て独裁者の最後は嫌というほど知っている・・
イラク然り ルーマニア然り ドイツのヒトラー 日本の東條・・
気が狂いそうになってきた・・
(なんで第7艦隊がこないのだ?・)・・手ぐすねひいて待っているというのに・・
来たら叩きつぶして 一気にカタをつけてやるのに・・・主席は 唇を噛んだ・・
核を使用することで必ず米軍は出てくる! 先鋒隊が第7艦隊にちがいない 出てこなければ台湾上陸作戦を決行してやるまでだ! 習は部下に再度命じた それは喚きに近いヒステリックなものだった
【戦術核を使用して 武装反乱軍を鎮圧せよ! いいかよく聞け 核使用は米国への示威手段なのだ わが中国はこの戦いにすべてをかけているのだ
勝つためには取りうる手段に聖域などないのだ! 最高司令官の私に反目する奴は容赦なく更迭か投獄だ!】