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米中決戦  作者: 館 文恵
4/13

緊迫する東アジア

【大統領閣下、海上封鎖 機雷敷設の行為は日本への深刻かつ重大な挑発行為として受け止めています】

【やつらはどうやら本気だぞ スパイ衛星からの情報によると台湾海峡にも大部隊が集結して 台湾侵攻の可能性が高まっている 】


その声も表情も 通常のものではなく 明らかに緊張しているのが判る


日本の存立自体を危うくするもので 集団的自衛権の発動につい現在準備をしているところです 

米国のご支援をいただき 掃海と封鎖排除に向け 行動せざるを得ないと考えていますが いかがでしょうか】

と 総理は冷静に訴えた


【それは当然だろう 中国はあちこちで反乱がおきてるようなので 警戒はしていたがいきなり海上封鎖とはな・・・とにかく、中国の本音が知りたい 連絡とっているがつながらないのだ・・】


【米軍として全軍が警戒態勢にはいっている 沖縄や 在日米軍と連絡取りあって 対中戦闘の準備たけはしておいてくれないか

今台湾の総裁からも救援の依頼があった・・緊急会議してるんだが・・どうも・・重大事態になりそうだ・・】


【閣下 大丈夫でしょうか・・?】 総理の声が震える


【ナニがだ? 君は存外、 腰ぬけのようだな 日本を代表する立場なんだぜ 震えている場合ではないだろう・・】(笑)


【小康状態だったロシア軍も再度ウクライナ侵攻に向けて動き出したと聞いている

それに中印国境の空港ににインド空軍が おかしな動きを見せていると言うのだ まさかとは思うが・・】


【えっ! インドまで?】 大統領の情報に総理は息をのんだ・・


(まるで示し合わせたような動きではないか・・尋常ではない事態だ・・)


【ともあれ、先ずは中国の本意を探ることが急務だぜ・・性急な軍事行動は 偶発や大きな誤算を招きかねん・・米国と歩調を合わせ緊密に行動をやってほしい】


とにもかくにも 自重し相手の真意をさぐってからということになった

つづいて韓国大統領から日本政府に 緊急電話  要旨は韓国もシーレーンの封鎖は潰滅的打撃です 今までの しがらみを棄てて 共同して この排除にあたりましょうということだったが・・貴国はご勝手にされたら宜しかろう・・と丁寧に返した

 

次々と情報がもたらされたが・・どれもが緊迫したものだった

大統領から腰ぬけ呼ばわりされても 落ち込んでなどいられない


中国の主席と話合わねばとコンタクトをとるものの ホットライン通じず 外交チャンネルも試みているが 意図的に切断しているのか 通じなかった


取りあえずは警戒レベルをひきあげ

掃海艇の動員と 海空自に待機態勢をとらせたくらいでしか策はなかった


公明党の代表が 掃海活動は集団的自衛権行使に抵触すると 総理に云いに来た

呆れたのは 閣僚の元総理の麻生が声を荒げた


【あんた この期に及んでなにを言ってるのだ! 国賊のたわごととは あんたの事だ】


機雷は何個位だろうか?

防衛大臣が応えた 【中国は10万個以上保有していると思われ 現場海域には数千個が撒かれたかもしれません】


【 うむ そうすると掃海艇が全隻フル活動しても かなり日数がかかるな・・】


官房長官が総理に進言した

【ばら撒いたのは敵です むこうがやればいいのです】

どう見ても公海上です 勝手に排他的水域と決めてやってるのです 


タンカーを撃沈された時点で 反撃する口実をもらったということです

敵の海軍能力を殲滅し それから停戦に持ちこみ 掃海もさせればいいのです


封鎖期間も無期限といってる以上 向こうは掃海などさせるわけがないです 

だからここは 封鎖解除に向けて 海自を出動させるしかないのですす


【なるほど 一理ある!】が


中国と一戦を辞さずみたいな言動は慎んでほしい・・

しかし遠い・・イージス艦などの主力艦隊を差し向けるには 空軍力の援護なしに無理だ・どうしても米国の制空能力に頼らざるを得ない・・


総理のその言葉に一同は沈黙せざるを得なかった・・

当面は 国内のパニックをどう抑えるかだ・・ メディアは今にも戦争勃発を他人事のようにやってるが・・

これは 間違いなく未曾有の国難が到来したと総理は思った


ともあれ、米軍と緊密な連絡を取りながら 中国の意図を探るしかない・・結論はそれに傾いた


刻一刻と緊迫度を増していることが伝わってくるのだ

総理は文官の出身だが 法的にも三軍の最高司令官だ、何をどうするかを即断しなければならない


よりによってこんな事態になるなんて・・と深いため息をついた

総理になったことを 今日ほど不運に思ったことはしない

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