たえまなく冬
あなたが好きだ。
ずっと好きだ。
冬樹くんが好きだ。
友達は言う。
彼を嫌いな時期は、必ず来ると。
そんな言葉は、信じない。
彼への好きは、絶えない。
耐えることはない。
「今日も会える?」
「うん」
「じゃあ、待ってるね」
「うん」
彼を待った。
彼の大好きなハンバーグを作りながら。
しかし、彼が来ることはなかった。
私に春は、来なかった。
二度と彼からの連絡は、なかった。
凍えてきた。
季節が春になっても、夏になっても、秋になっても、心は冬だった。
常に、カチンコチンだった。
カチンコチンのまま、さくらの木の下を歩いた。
そこには、ベンチで下を向く青年がいた。
青年は、小刻みに震えていた。
私は、反対側の端に座り、一緒に凍えた。