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俺だけ悪徳貴族に憑依したようです。

初めましての方は初めまして作者の限界社畜です。


数年前に一度自宅警備員候補生として小説を書いていましたが数か月で削除。

その後読み専門になっていましたが、最近現実逃避を兼ねて執筆しました。

作者名の通り社畜のため投稿頻度バラバラですが、このコロナ過でストレスを発散する場所もなく執筆することで現実から逃げようと思うので気力がある限り執筆するので応援やコメントよろしくお願いいたします。

 勇者召喚、クラス転移、魔王討伐、悪徳貴族への憑依


 ファンタジー小説でよくある設定。


 所詮は空想の話でフィクションでしかない。


 そう、フィクションでしかないと俺もついさっきまで思っていた。


「なんでこんなテンプレましましの世界に転生するんだ...」


 今の俺の状況ではフィクションの話なんて笑い飛ばすことなんて出来ない。


 クラスごと魔法陣のようなもに包まれたはずなのに俺は悪徳貴族に憑依している。


 しかも憑依したと思われる身体に見覚えがあったからだ。


 なんで、なんで、俺だけ、なんで召喚じゃないんだ。






 ------------------------

 いつも通り学校で授業を受けていた、俺三日月 大河(みかづき たいが)とクラスメイト達。


 なんてこともないありふれた日常だったはずなのに、いきなり床に展開された魔法陣のようなものの光に包まれてその日常は崩れた。


「きゃあぁぁぁぁあ!!!」


「なんだこれは!何が起きているんだ!」


「デュフ!!ktkr!吾輩の時代到来ですぞぉ!」


「皆さん落ち着いてください!まずは落ち着いて状況の把握しなければなりません!」


 あわてる生徒や、これからのことを想像して狂喜乱舞する生徒、持ち前のリーダーシップを発揮してクラスをまとめようとするもの。


 一方で普段からなろうサイトでハイファンタジーやローファンタジー系の小説を読んできた俺は魔法陣のようなものを見た瞬間、これから起こるであろう展開への期待と不安を覚えた。


 どんな世界にこれから向かうのか、どんなチート能力を手に入れるのかと。


 しかし俺の期待は光が収まるとともに不安一色に染まってしまった。


 光が収まりゆっくりと目を開けると目の前には財力をつぎ込みまくったであろう豪華で眩い部屋が辺り一面に広がっていた。


 部屋に置いてある鏡がふと目に入った瞬間に俺は目を疑った。


 小説の挿絵でみたヨワテレ・クレセンそっくりだったからだ。


 ヨワテレ・クレセンは俺が地球にいた頃に読んでいたネット連載されている異世界勇者召喚もののファンタジー小説、<クラス皆でこの世界を生きていく>。そこで召喚された勇者を我がものにしようとして失敗しまくった結果家から追放され惨めな人生を送ることになる、悪徳貴族でポケオウイ王国で次期侯爵家当主だったやられ役だ。


 公爵→侯爵→辺境伯→伯爵→子爵→男爵→騎士爵と七爵位とあるなかで上から二番目に属する高位貴族生まれでありながらも更なる地位と権力を求める野心溢れる男。と言えば聞こえはいいが才能も行動力も皆無のダメ男であり、勇者を我が物にしようとせずとも権力戦争に負けると設定されていた完全なかませ犬である。


 一応貴族であるため基礎ステータスも平均から見たらよい方ではあるが、チート能力を持つ異世界人に勝てるわけもない。


 選ばれた人間しか授かれない神器をこのヨワテレも授かっているが、その能力も一切描かれることなく退場しているため戦力としてあてに出来ない。


「完全に俺は積んでいるな。同じ貴族に憑依するにしても原作に出てこないモブ貴族の方が断然マシだし、なんなら主人公始め異世界人サイドの優良貴族に憑依してかったぜ...」


とにかく俺がこれからやるべきことは原作に描かれることのなかったヨワテレの持つ神器の把握と、他のクラスメイト達の行方の把握だ。


幸いと言っていいのか分からないが、ヨワテレは侯爵家の人間でそこの時期当主であるため動かせる権力はそこそこあるし、これまでのヨワテレが過ごしきた人生の記憶は残っている。


残っているヨワテレの記憶によれば原作開始まであと二年あるし、頑張れば最悪の展開から免れることが出来るかもしれない。


考えられる可能性としては俺だけ憑依して、他の皆が勇者として二年後に異世界人として召喚される可能性。


もしくはただ、<クラス皆でこの世界を生きていく>。によく似た世界でクラスメイト皆も様々な形で憑依もしくは転生している可能性。


一番の理想は夢落ちだが、そんなことはほぼありえないだろうし。





「いったい、これから俺はどうなるんだろうか...」


これからのことを考えると不安しかない。

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