魔導師の旅日誌 に
雪にびっくりー(笑)
4日目から8日目までは野宿なので、勇者の愚痴文句苦情以外はスムーズな移動。流れるように出てくる負の言葉のオンパレードに、よく噛まないなと変に感心するわー。
9日目に街に入るなり勇者が逃亡即捕獲。逃げないからとの嘆願を受けて、条件つきで放牧。1日放置したが、ナンパは成功しなかった模様。
勇者だと名乗らない、魔王討伐の話もしない、という制約を勇者が誓約の上、魔導師さんが唇に呪いをかけたらしい。効果は絶大素晴らしい。
この辺りで、宰相閣下が服従の腕輪を使うかどうかを、真剣に悩み始めた。罪悪感があるならやめた方がいいけど、相手にもよるよねー。
12日目の小さな村で、純情可憐なお嬢さんが勇者に引っかかってしまったらしい。なんと憐れな。旅の途中だから、終わったら迎えに来るからと説得するも付いてきてしまう始末。
そもそも、本気で説得してなかった感ありの勇者だったそうだ。本気でハーレム作る気かと。
神官さんと相談の上、魔の森手前までは連れて行くことにしたらしい。ただし、世話は勇者に一任。テントは脳筋も一緒、間違いが起きたら困るからね。
ちなみに、魔導師さんと神官さんのテントは、中に入るとロッジ風に拡張改築されてるそうだ。簡易キッチンにリビング、寝室がふたつベッドと浴室つき。いたれりつくせり。快適に過ごせてなによりです。
このテントの件は、閣下には報告しないでおいた。魔導師さんの定期収入のために、特許出願したらいいと思う。
閣下はハーレム作る気なのかとちょっとお怒りだった。愛妻家だからねぇ。
閣下の懸念をものともせずに、ハーレム員は、その後順調に補充されて(魔導師さん目当ての人もいたらしいけど、お断りしたそうだ。完膚なきまでに叩き潰された気がするけど、気にしない)4人になったそうだ。
さすがに狭かろうと、拡張だけはしたそうだ。なにもない教室サイズのテントの中をものともせず、彼らは幸せそうだったと、目が虚ろな脳筋が報告したそうだ。さすがに同情したと魔導師さんが追伸報告していた。
空気読めるようになってなによりじゃないですかねぇ。と感想を述べた私に、閣下からあぁ、というため息が返ってきた。
てか、4人分の食費もろもろはどこから出てるんだろう。
4人のハーレム員の食費もろもろは、勇者以外が負担していたらしい。肉と野菜(野草)は森での自給自足、足りない分を支給されたお金で賄ったそうだ。
家計をやりくりして、神官さんに指示を出し、脳筋をこき使って、ってさぁ。
……所帯じみてないかい、魔導師さん。
オカン魔導師(笑)